中野勇治郎

中野勇治郎（なかの ゆうじろう）

中野勇治郎は、明治12年（1879年）1月10日に京都府北桑田郡で生まれ、昭和21年（1946年）4月22日に亡くなった、日本の弁護士、政治家です。

生い立ちと初期の活動

中野勇治郎は、中野半右衛門（または中野平右衛門）の長男として生まれました。幼少期に京都に出て漢籍を学び、経史百家の書を深く読み解く一方で、法律の研究にも励みました。18歳で普通文官試験に合格するという優れた才能を示しました。明治33年（1900年）には、政治家である星亨に憧れて上京し、日本法律学校と東京法学院で法律を学びました。

弁護士としての活躍

東京法学院在学中、わずか一年半で学業を終え、明治34年（1901年）に判検事登用試験と弁護士試験に合格しました。司法官試補検事代理を経て、弁護士として活動を開始しました。東京弁護士会では副会長に選出され、その手腕を発揮しました。また、東京府教育会評議員会議長、同会副会長も務め、教育分野にも貢献しました。

政治家としての活動

中野勇治郎は、本所区会議長、東京府会議員、同参事会員、同副議長、同議長など、数々の要職を歴任しました。さらに、警視庁防疫評議員、特別都市計画委員会委員にも就任し、東京府の発展に尽力しました。昭和7年（1932年）には、第18回衆議院議員総選挙で当選し、国政にも進出しました。

人物像

佐藤幸平の著書『東京弁護士名家録 第1巻』によると、中野勇治郎は「一代の快傑星亨の最も深き感化を受けたる人物」と評されています。その気骨と機略は、当時の政治家、横田千之助にも劣らないとされ、東京府会での影響力は非常に大きく、多くの人々から頼りにされていました。

家族

中野家は、京都府北桑田郡にルーツを持ち、その後東京市本所区東両国（現在の東京都墨田区）に拠点を移しました。父は半右衛門（または平右衛門）、母はトメ。妻はソノで、宮城県出身の宮澤源助の長女です。子供には、長女ウタ（石原励に嫁ぐ）、長男次雄（裁判官・元大阪高裁長官）、次女ツヤ（元学校法人鷗友学園特別顧問）、三女トシ子（元最高裁判事栗本一夫の妻）がいます。特に、三女トシ子の息子である栗本慎一郎は経済人類学者として知られています。

晩年

中野勇治郎は、弁護士、政治家として、東京府の発展に大きく貢献しました。その生涯は、常に社会のために尽力し、多くの人々に影響を与えました。

関連人物

星亨：中野勇治郎が深く尊敬した政治家。

栗本一夫：三女トシ子の夫、元最高裁判事。

* 栗本慎一郎：孫、経済人類学者。

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