第18回衆議院議員総選挙

第18回衆議院議員総選挙の概要

1932年2月20日、昭和7年に日本で開催された第18回衆議院議員総選挙は、当時の政治状況に大きな影響を与えました。この選挙は犬養毅内閣の下で行われ、与党立憲政友会が経済復興の兆しを背景に圧倒的な勝利を収めました。

政治の背景

1931年の満州事変の影響もあり、日本の政治は不安定でした。犬養内閣が成立したのは1931年12月13日のことですが、当初は少数与党として厳しい立場にありました。しかし、事変の国民的な期待と政府の経済政策により、次第に政権基盤が強化されていきました。特に金の輸出禁止という政策が経済に好影響を与え、これをチャンスと捉えた政友会は、選挙を通じてその立場を確固たるものにしようとしました。

選挙戦の展開

衆議院解散は1932年1月21日、告示は1月22日、そして投票は2月20日に行われました。この選挙は新たな選挙戦術が導入された点でも特筆すべきです。レコードやトーキー映画など、当時のメディアを活用した手法が試みられ、広範な有権者へのアプローチが果たされました。

しかし、選挙戦中には暗いニュースもありました。2月9日には民政党の井上準之助が暗殺され、さらに3月5日には団琢磨も暗殺されるという衝撃の事件が発生。これにより、政党政治が直面する未来への懸念が深まりました。

選挙結果とその影響

最終的に、立憲政友会は301議席を獲得し、その圧勝は予測を上回るものでした。一方の立憲民政党は146議席に留まり、選挙前の議席数から大幅に減少する結果となりました。政友会の勝利は、犬養内閣にとって有利な状況を創出する一方で、党内での権力抗争を引き起こす要因にもなりました。

選挙後の党内抗争により、犬養の政権掌握力は低下し、その影響は今後の政策運営にも及ぶことが予想されました。また、民政党の惨敗は、同党の存在意義を問うこととなり、党勢の立て直しが急務となる様相を呈しました。

総括

第18回衆議院議員総選挙は、日本の政治史における重要な出来事とされています。経済的な期待と政治的混乱が交錯する中で、立憲政友会の勝利がもたらしたものは、単なる議席数の増加だけに留まりませんでした。これに続く政党間の摩擦や、政治的な不安定さがもたらされる要因ともなり、当時の日本の政治風景に深い影を落としました。それらの動向は、今後の日本政治に対する多くの教訓を提供するものとなります。

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