中野常治

中野常治：元レーシングドライバーの軌跡

中野常治（なかの つねじ）は、1950年10月30日に生まれた日本の元レーシングドライバーであり、モータースポーツ界で多くの業績を残しました。彼の息子もレーシングドライバーとなり、1997年から1998年にかけてF1世界選手権に出場したことでも知られています。

経歴の始まり

中野は1976年から鈴鹿サーキットでFL500レースに参加し、平日は内装業に従事しながら週末にレース活動を行いました。1979年からはハヤシレーシングが製作したフォーミュラカーを駆使し、FL500に参戦。鈴鹿FL500チャンピオンシリーズで年間王座を獲得し、その名を知られるようになりました。

フォーミュラ3への挑戦

1980年からは全日本F3選手権（当時は日本F3チャレンジカップ）にフル参戦。3位という好成績を残し、1980年シーズンでは6位、1981年には5位を記録しました。彼の後に続く日本のレーシングドライバーには中子修や鈴木亜久里などが名を連ねており、当時のF3界は若手の育成と競争が非常に活発でした。

初代シビックレースチャンピオン

1981年には新設された「FFスーパーシビックワンメイクレース」にも参戦し、初年度にしてシリーズチャンピオンの座を手に入れました。彼は「初めてのFF車で、興味もあり、参加を決意した。接近戦が多かったが、負けないという強い気持ちがあった」と語っており、厳しい競争を勝ち抜いた自信が伺えます。

フォーミュラ2デビューと引退

1982年、全日本F2選手権にデビューし、富士グランチャンピオンシリーズにも出場。F2では開幕戦で8位に入賞しポイントを獲得。しかし、同年夏には11歳の息子・信治をカート場に誘い、レース活動から引退。引退後は信治のカートチームの監督として、メンテナンスやドライビングの指導を行い、全面的にサポートしました。

息子への影響

信治は15歳でワークスドライバーに起用されたものの、高校入学試験とレースが重複する事態に直面しました。その際、常治は息子にプロのレーサーとしての覚悟を促し、試験を優先する考えを否定しました。信治はその経験を通じて、多大な影響を受けたと語っています。共に過ごす中で、父の強さや真摯な姿勢は、信治にとっての手本となり続けています。

レース戦歴

彼のレース戦歴は、日本のモータースポーツの発展に寄与し、特に全日本F3選手権や全日本F2選手権での成果は、多くの後進にインスピレーションを与えています。70代を迎えた今でも、そして信治が50代に近づく今でも、父子の絆は変わらず、共に過ごす時間が彼らのモータースポーツへの情熱を再確認する機会となっています。

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