中野方村

中野方村について

中野方村（なかのほうむら）は、かつて岐阜県恵那郡に存在した村です。現在の恵那市北部に位置し、村の中央を木曽川の支流である中野方川が流れています。周囲は標高約800mの山々に囲まれた、自然豊かな農村・山村地帯でした。

地理と環境

中野方村は、周囲を山に囲まれた地形が特徴です。中央を流れる中野方川は、農業用水としても利用され、村の生活を支えていました。この地域は、四季折々の美しい自然が楽しめ、豊かな森林資源にも恵まれていました。

大字と字

中野方村には大字は存在せず、以下の字がありました。

糟里、井尻、飯澤、鷹の巣、上勢井後、下勢井後、太田、橋立、坂折、霧山、日蔭山、山名、大曲、權現、岩竹、西久保、はまゐば、橋戸、野瀬、萬葉、川向、新畑、起、西の垣外、五十目、西中切、東中切、中島、龍部坂、向山、八幡、山際、霊仙寺、観定寺、富貴窪、城ヶ根、奥洞、口洞、道場、横枕、島、大日、新賦、大峯、五輪、皆曾、合歓の木、桃久保、鐘鑄場、馬越、力石、笹葉、高峯、伐跡、松林、宇塚、荷付場、外山、赤ぬた、亀垂、毘羅

これらの字は、村の歴史や地理的な特徴を反映した名称となっています。

歴史

中野方村の歴史は古く、平安時代には蘇原荘に属していました。この地域は、戦国時代には、遠山氏などの有力な武将が勢力を争った場所でもありました。

元弘・正慶の乱: 元弘3年/正慶2年（1333年）には、六波羅探題の残党が心観寺に立て籠もり、土岐氏の代官所を襲撃する事件が起こりました。この際、心観寺は焼失しましたが、後に再建されています。
建武2年の梵鐘: 建武2年（1335年）には、心観寺の梵鐘に「建武二乙亥年二月大檀那領主加藤左衛門尉景村、美濃國蘇原荘安弘見郷中之方氏子安全」という銘文がありました。これは、心観寺の再建を記念して鋳造されたと考えられています。
笠木社への梵鐘寄進: 天文11年（1542年）には、遠山景前と延友新右衛門尉が笠木社に梵鐘を寄進しました。この梵鐘の銘文には、当時のこの地域が加茂郡に属していたことが記されています。
江戸時代: 江戸時代には、苗木藩の領地として統治されていました。
廃仏毀釈: 明治3年（1870年）には、苗木藩による廃仏毀釈が行われ、村内の寺院はすべて廃止されました。この時、心観寺も廃寺となりました。
町村制: 明治22年（1889年）の町村制施行により、中野方村が成立しました。
恵那市への合併: 昭和29年（1954年）には、周辺の町村と合併し、恵那市となりました。

教育

中野方村には、以下の学校がありました。

中野方村立中野小学校: 現在の恵那市立中野方小学校にあたります。
中野方村立中野方中学校: 1997年に笠置中学校、飯地中学校と統合され、現在の恵那市立恵那北中学校となりました。

神社・仏閣

中野方村には、以下の神社・仏閣がありました。

笠置神社: 現在も恵那市に存在し、地域の人々に信仰されています。
* 霊仙寺: こちらも恵那市に現存しています。

その他の情報

中野方村は、その歴史の中で、様々な変遷を経験してきました。現在では恵那市の一部となり、その歴史を語る上で重要な場所となっています。村の歴史は、地域の文化や信仰、生活様式を理解する上で貴重な情報源です。

この地の歴史に触れることで、中野方村、ひいては恵那市の魅力を深く知ることができます。

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