特定非営利活動促進法

特定非営利活動促進法（NPO法）について

特定非営利活動促進法（NPO法）は、平成10年3月25日に法律第7号として制定された、特定非営利活動法人（NPO法人）に関する日本の法律です。一般的にはNPO法と呼ばれ、所管官庁は内閣府です。

目的

この法律は、特定非営利活動を行う団体に法人格を付与すること、運営組織と事業活動が適切であることを認定する制度を設けることなどを通じて、市民が行う自由な社会貢献活動としての特定非営利活動の健全な発展を促進し、公益の増進に寄与することを目的としています（法第1条）。

法における定義

NPO法における定義は以下の通りです（法第2条）。

特定非営利活動

以下の活動であって、不特定多数の利益の増進に寄与することを目的とするものを指します。

1. 保健、医療又は福祉の増進を図る活動
2. 社会教育の推進を図る活動
3. まちづくりの推進を図る活動
4. 観光の振興を図る活動
5. 農山漁村又は中山間地域の振興を図る活動
6. 学術、文化、芸術又はスポーツの振興を図る活動
7. 環境の保全を図る活動
8. 災害救援活動
9. 地域安全活動
10. 人権の擁護又は平和の推進を図る活動
11. 国際協力の活動
12. 男女共同参画社会の形成の促進を図る活動
13. 子どもの健全育成を図る活動
14. 情報化社会の発展を図る活動
15. 科学技術の振興を図る活動
16. 経済活動の活性化を図る活動
17. 職業能力の開発又は雇用機会の拡充を支援する活動
18. 消費者の保護を図る活動
19. 上記の活動を行う団体の運営、活動に関する連絡、助言、援助の活動
20. 上記に準ずる活動で、都道府県または指定都市の条例で定める活動

特定非営利活動法人

特定非営利活動を行うことを主たる目的とし、以下の要件を満たす法人を指します。

営利を目的としないこと
社員の資格取得に関して不当な条件を設けないこと
役員のうち報酬を受ける者の数が、役員総数の3分の1以下であること
活動内容が以下に該当しないこと
宗教の教義を広め、儀式行事を行い、信者を教化育成することを主たる目的とするものでないこと
政治上の主義を推進、支持、または反対することを主たる目的とするものでないこと
特定の公職の候補者や公職にある者、政党を推薦、支持、または反対することを目的とするものでないこと

原則

NPO法人は、特定の個人や団体などの利益を目的として事業を行ったり、特定の政党のために利用されたりしてはなりません（法第3条）。

役員の定数

NPO法人の役員として、3人以上の理事と、1人以上の監事を置く必要があります（法第15条）。

構成

法律は以下の構成となっています。

第1章 総則
第2章 特定非営利活動法人
第1節 通則
第2節 設立
第3節 管理
第4節 解散及び合併
第5節 監督
第3章 認定特定非営利活動法人及び特例認定特定非営利活動法人
第1節 認定特定非営利活動法人
第2節 特例認定特定非営利活動法人
第3節 認定特定非営利活動法人等の合併
第4節 認定特定非営利活動法人等の監督
第4章 税法上の特例
第5章 雑則
第6章 罰則
附則
別表

制定経緯

1995年の阪神・淡路大震災をきっかけに、市民活動団体やボランティア団体などで法人格の必要性が高まりました。その後、国会に複数の法案が提出され、修正などを経て、1998年3月に成立しました。

主な法改正

2003年：特定非営利活動の範囲拡大、暴力団排除の強化
2010年：認定手続きの簡素化
2011年：税制控除との選択制の導入
2012年：仮認定制度の導入
2016年：制度の使いやすさと信頼性向上のための措置
2020年：NPO法人の設立・運営手続きの迅速化・簡素化

関連項目

NPO
非営利
非営利団体
特定非営利活動法人
民法
NGO

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