丸山宗利

丸山宗利：昆虫学者が語る、アリと昆虫の驚くべき世界

丸山宗利（まるやま むねとし）は、1974年生まれの日本の昆虫学者、著述家であり、九州大学総合研究博物館の准教授を務めています。専門はアリやシロアリと共生する昆虫の分類と生態解明ですが、研究対象は多岐にわたり、昆虫の世界の奥深さを探求し続けています。

昆虫との出会いと研究の道へ

東京都で幼少期を過ごした丸山は、3歳の時にコカマキリとの出会いをきっかけに昆虫に魅了されます。都会で昆虫に出会う機会が少ないからこそ、それぞれの虫に強い興味を持ち、図鑑を愛読する子供時代を過ごしました。小学生時代は昆虫だけでなくあらゆる生き物に興味を持ち、生き物たちの世話に明け暮れる日々を送ります。中高時代は登山部に所属し、合宿で多様な生き物に触れる中で、自然への関心を深めました。

大学進学の際には、アホウドリを絶滅の危機から救った研究者の姿に感銘を受け、東邦大学理学部へ進学。在学中に分類学に興味を持ち、ハネカクシの研究を始めたことが、昆虫学者としてのスタートとなります。北海道大学大学院に進学後、指導教官からの問いかけをきっかけに、アリと共生する好蟻性ハネカクシの研究に方向転換。以降、アリやシロアリと共生する昆虫の分類・生態解明を専門として研究を進めています。

研究者としての功績と普及啓発活動

丸山は、研究手法の開発や研究道具の工夫にも熱心で、丸山式FITや針刺しスライドなどを考案しました。これまでに20か国以上を調査・研究で訪れ、150種以上の昆虫に命名しています。2017年には、アリ型ハネカクシの収れん進化に関する論文が国際的に高い評価を受けました。

研究活動と並行して、昆虫の多様性の素晴らしさを伝える普及啓発活動にも力を入れています。著書の執筆や講演、展示などを多数行い、メディアにも積極的に出演。「生き物の面白さを伝えることは、生き物好きの味方を増やすこと。味方が増えることで保全につながる」という信念のもと、昆虫の魅力を発信し続けています。NHKラジオの子ども科学電話相談では、昆虫担当の回答者として、子どもたちの質問に丁寧に答えています。

多彩な趣味と食へのこだわり

昆虫研究に情熱を注ぐ一方で、家庭菜園やガガイモ亜科多肉植物の収集など、多彩な趣味も持っています。特にガガイモコレクションは日本有数です。読書家としても知られ、海外調査時の機内や待ち時間を利用して様々な分野の本を読みます。食通でもあり、ブログやTwitterでは食に関する話題も多く、特にアジフライと蕎麦を好んで食します。多忙な日々の中でも、8時間の睡眠時間を確保するように心がけています。

著書とメディア出演

丸山宗利は多数の著書を出版しており、代表作に『昆虫はすごい』（光文社）があります。また、『情熱大陸』（毎日放送）などのテレビ番組やラジオ番組にも出演し、昆虫の魅力を伝えています。

『森と水辺の甲虫誌』（東海大学出版会、2006年）
『ツノゼミ ありえない虫』（幻冬舎、2011年）
『アリの巣をめぐる冒険 未踏の調査地は足下に』（東海大学出版会、2012年）
『昆虫はすごい』（光文社、2014年）

まとめ

丸山宗利は、昆虫学の研究者としてだけでなく、その魅力を社会に伝える伝道師としても活躍しています。彼の活動を通して、多くの人々が昆虫の世界に興味を持ち、自然環境の保全に関心を寄せるようになることが期待されます。

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