丸山照雄

丸山照雄について

丸山照雄（まるやま てるお、1932年4月27日 - 2011年6月13日）は、日本の宗教評論家であり、日蓮宗の僧侶として知られています。彼は山梨県身延町で生まれ、青年時代から社会運動に対する関心を示しました。身延高校在学中に彼は次第に社会的な問題に目を向け、立正大学では仏教青年運動「信行会」を立ち上げ、その後は同大学を中退して宗教学の道を歩むことになります。

幼少期と教育・キャリア

彼は久遠寺塔中の宝聚院麓坊の住職を歴任し、日蓮宗現代宗教研究所の調査主任としても活動しました。しかし、1970年には公害の問題に取り組む目的で「公害企業主呪殺祈祷僧団」を結成したことが、教団内での論争を引き起こし、その結果、研究所を辞職せざるを得なくなりました。この出来事は、宗教活動と社会問題が密接に関連していることを示唆するものでした。

その後、彼は単なる宗派に留まらず、より広範な宗教活動を展開しました。支援を必要とする人々に手を差し伸べ、改革を求める動きに積極的に関与し、仏教の国際的なネットワークの形成を促進したのです。彼は仏教者国際連帯会議や天晴塾、日蓮研究会などの活動を通じて、多様な宗教的視点を受け入れることを目指しました。

社会と宗教への影響

丸山はその活動を通じて「行動する仏教徒」として知られ、特に社会的な弱者の支援や批評活動において自らの立場を確立しました。日蓮宗に属しながらも、他の宗派の動向や問題にも強い関心を持ち、特に真宗大谷派の「お東騒動」に対し多くのレポートを執筆し、改革派の行動を支持しました。

また彼は、自身の意見を明確に示すことでも知られ、著書の中では日本の仏教の名僧や悪僧を批評し、特に人気のある高田好胤や山田無文に対して厳しい視点を持ち続けました。加えて、創価学会に対しても鋭い批判を投げかけ、その姿勢は多くの議論を呼び起こしました。

エピソードと最後の生涯

彼の戦闘的なイメージは、髭を生やした独特な外見と相まって、多くの人々に強い印象を与えました。毎日新聞記者はその外見を「怪物的な印象」を与えると形容しています。このような視覚的アイデンティティに加え、彼の思想や行動も多くの人々に影響を与えました。

1995年には日本社会党の「民主リベラル新党結成」に向けた呼びかけ人会議の会長に就任しましたが、内部の対立により構想は進展を見せず、結局新党結成には至りませんでした。彼の政治活動もまた、宗教と社会の交差点に立つ重要な要素だったと言えるでしょう。

2011年6月13日、丸山はうっ血性心不全により79歳でこの世を去りました。その遺産は、彼の著作や行動を通じて今もなお多くの人々に受け継がれています。彼の生涯と活動は、現代仏教のあり方を考える上で欠かせない要素となっています。

主な著作

• - 1972年『教団とは何か : 丸山照雄宗教論集』
• - 1973年『反情況の砦から：象徴天皇主義批判』
• - 1977年『日本人の心をダメにした名僧・悪僧・愚僧』
• - 1980年『近代日蓮論』
• - 1991年『闘う仏教』
• - 2002年『危機の時代と宗教』
• - 2013年『認識の仏教』

彼の作品は、宗教や社会問題について新たな理解をもたらすものであり、今も多くの人々に影響を与えています。

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