丸数字

丸数字とは

丸数字とは、数字を丸で囲んだ記号のことを指します。丸付き数字、丸囲み数字とも呼ばれ、主に数字を他のものと区別するために使われます。手書きの時代から存在し、出版物や公的文書にも用いられてきた歴史ある記号です。

歴史と利用

丸数字は古くから使われており、活字印刷の時代には早くから実装されていました。官公庁の刊行物では頻繁に使用され、その重要性が伺えます。

日本の多くの地域では、丸数字を読み上げる際、囲いの部分を先に読み、中の数字を後に読むのが一般的です。例えば①は「まるいち」と読みます。しかし、山形県では中の数字を先に読み、囲いを後に読むため、「いちまる」と読むことがあります。

多様な分野での使用例

丸数字は様々な分野で使用されています。

法律: 法令集では項番号を丸数字で示すことがあります。これは、古い法令で正式な条文に項番号がない場合に、編集者が便宜的に記載したものです。現在では、算用数字で項番号を付すのが一般的です。
設問: 選択肢の番号を丸数字で示すことで、解答者が選択した項目を明確にします。マークシートの場合には、丸数字を塗りつぶす形式で利用されます。
歯科医療: 歯の状態を示すために、丸数字や二重丸数字が使われます。
囲碁: 碁盤上の対局局面を記録する際、黒石と白石を区別するために、それぞれの石に丸数字を記します。
麻雀: 牌譜を文字で記録する際に、筒子を丸数字で表すことがあります。
競馬・競艇など: 競馬や競艇では、馬番や選手番号を丸数字で表記します。また、予想記事では、本命や穴を示す際に二重丸や黒丸の数字が用いられることがあります。
* スポーツ: スポーツの背番号を丸数字で表現したり、ボウリングで残ったピンを丸数字で表示したりすることがあります。

コンピュータにおける丸数字

文字コードの問題

JIS X 0208には丸数字が規定されていなかったため、PC-9800シリーズやMacintoshなどの環境で外字として実装されました。このため、異なるOSや環境間で丸数字を共有する際に文字化けなどの問題が発生しました。WindowsではPC-9800シリーズとの互換性を保つため、独自のコードページ（CP932）を使用しました。

JIS X 0213では、丸1から丸50、黒丸1から黒丸20、二重丸1から二重丸10が追加されました。Unicodeにもこれらの記号が含まれていますが、連続したコード位置にはありません。

近年の状況

JIS X 0213で丸数字が規格に含まれるようになったため、UTF-8などの文字コードを正しく提示する限り、機種依存文字として不適切とする考え方は減ってきています。

また、Adobe-Japan1-4では、丸51から丸100、丸「00」から丸「09」までを定義しており、対応フォントで表示できます。

合成による表現

ワープロソフトなどでは、数字を丸で囲む「囲い文字」機能が搭載されています。また、合成用の丸（U+20DD）を数字の後に付けることで丸数字を表現することも可能です。

まとめ

丸数字は、数字を明確に区別するための有用な記号であり、様々な分野で活用されています。コンピュータでの取り扱いは、文字コードの問題から複雑な歴史をたどってきましたが、JIS X 0213の策定やUnicodeの普及によって、以前より扱いやすくなりました。しかし、フォントや環境によっては表示が異なる場合もあるため、利用には注意が必要です。

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