丸谷浩介

丸谷 浩介

日本の法学者である丸谷 浩介（まるたに こうすけ）氏は、1971年に長崎県大村市に生まれました。社会保障法を専門分野としており、現在は九州大学大学院法学研究院で教授を務める傍ら、日本学術会議の会員や福岡地方最低賃金審議会の会長など、社会の重要な諮問機関や政策決定に関わる役職を歴任しています。

学歴と初期のキャリア

丸谷氏は1994年に千葉大学法経学部法学科を卒業した後、学術的な探求を深めるため熊本大学大学院法学研究科に進み、1996年に修士課程を修了して修士（法学）の学位を取得しました。さらに九州大学大学院法学研究科の博士課程に進学しましたが、1998年にこれを退学しています。その後、西九州大学健康福祉学部で講師として教育に携わり始めました。

教育機関での経歴

西九州大学での教職経験を経て、2002年には佐賀大学経済学部へ移り、講師に就任します。翌2003年には同大学の准教授に昇任し、教育者および研究者としての地歩を固めました。2012年には佐賀大学経済学部の教授となり、後進の指導や社会保障法に関する研究活動を積極的に行いました。2016年には九州大学大学院法学研究院の准教授に転じ、同年には博士（法学）の学位を取得しています。そして2017年、九州大学大学院法学研究院の教授となり、現在に至っています。この間、佐賀大学経済学部では非常勤講師としても教鞭をとっていました。また、2020年からは放送大学の客員教員も務めています。

公的機関等での活動

丸谷氏の活動は教育・研究分野に留まらず、社会保障分野の実務や政策決定の現場にも広く及んでいます。2007年には佐賀県介護保険審査会の審査員を務め、介護保険制度の適正な運営に貢献しました。2008年には全国健康保険協会佐賀県支部の評議員、2010年には佐賀県労働委員会の公益委員や佐賀市国民健康保険運営協議会の委員を歴任し、健康保険や労働問題、国民健康保険制度の運営に関わる議論に参加しました。

さらに、社会保障法学の研究者団体である日本社会保障法学会では、2012年から理事を務め、学会活動の推進に尽力しました。2013年には社会福祉士及び精神保健福祉士の試験委員を務め、専門職資格制度の維持・発展に貢献しています。

九州大学移籍後も、社会貢献活動は続いています。2017年には日本学術会議の連携会員となり、学術政策への提言に関わるようになりました。また、同年に福岡地方最低賃金審議会の公益委員に就任し、労働者の賃金に関する重要な決定に関与しています。そして2021年には福岡県労働委員会の公益委員を務め、労使間の紛争解決や労働環境の改善に貢献しました。2023年には福岡地方最低賃金審議会の会長に就任し、労働条件の基準形成においてより中心的な役割を担っています。同年、日本学術会議の会員にも選出され、日本の学術界の代表として活動しています。

研究分野と主な著作

丸谷氏の専門は社会保障法であり、特に労働と社会保障の関連や、ライフステージを通じた社会保障のあり方に関心を持っています。イギリスの制度分析を通じた求職者支援の研究などを行っています。

主な著作としては、以下のものが挙げられます。

『求職者支援と社会保障 : イギリスにおける労働権保障の法政策分析』法律文化社, 2015年
『ライフステージと社会保障』放送大学教育振興会, 2020年
* 『新たな時代の社会保障法』（山田晋, 西田和弘, 石田道彦, 平部康子と共編）法律文化社, 2022年

丸谷浩介氏は、研究者としての深い知見に加え、様々な公的機関での実務経験を通じて、日本の社会保障制度の発展と適正な運用に多大な貢献を続けています。教育、研究、そして社会活動の各方面において、その専門性を活かした活動を展開しています。

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