丹後魚っ知館

丹後魚っ知館について

丹後魚っ知館（たんごうおっちかん）は、京都府宮津市の小田宿野に存在した水族館で、本来の名称は宮津エネルギー研究所水族館（みやづエネルギーけんきゅうじょすいぞくかん）です。この施設は、関西電力の宮津エネルギー研究所の敷地内に位置しており、エネルギーについての理解を深めるためのPR施設としても利用されていました。

施設の特色

この水族館では、約200種類、4000匹の海洋生物が飼育されており、特に丹後地方の生物が中心です。また、マゼランペンギンやゴマフアザラシなども展示されており、訪問者は多様な海の生き物を間近で観察できます。さらに、館内には26種類の水槽が設置され、教育機関との連携により、地域の海洋研究を支援する役割も果たしていました。イメージキャラクターの「うおっちくん」は、ミノカサゴをモチーフにしており、訪れる人々に親しまれました。

設立と歴史

1989年の8月26日にオープンした丹後魚っ知館は、当時の京都府では唯一の本格的な水族館として注目を集めました。開館時には、訪問者数が32万人を超え、地域に根ざしたイベントも開催されるなど、子どもたちに人気のスポットとなりました。1990年には日本動物園水族館協会に加盟し、数年後の1992年には累計入館者数が100万人を突破しました。

愛称が「丹後魚っ知館」となるのは1993年のことで、一般公募によって決定されました。また、1993年にはミノカサゴのキャラクター「うおっちくん」も誕生し、地域住民に親しまれる存在となりました。

施設は開館から15年は入場無料でしたが、2004年には運営母体である宮津エネルギー研究所の活動休止に伴い、有料化されることになりました。以降も改修が行われ、2009年にはアザラシとペンギンが一緒に泳ぐプールが完成しました。2010年には入館者数が500万人を達成し、地域の観光地としての地位を確立しました。

近年の動向

2015年には日本国内で唯一のエビスザメの展示が始まり、これによって大きな話題を集めました。また、2020年には新型コロナウイルスの影響で一時的に休館するなどありましたが、公式SNSを開設し、移り変わる時代に合わせた情報発信を行いました。2022年には新しい大型サメも引き入れられ、さらに多様性のある展示を実現しました。

2023年5月30日、関西電力による長期停止状態の宮津エネルギー研究所の敷地再整備計画に伴い、丹後魚っ知館も閉館することが決まりました。これにより、地域の水族館としての役割が終了し、跡地は新たな企業誘致エリアとして再開発されることになります。

施設の内容

水族館

有料で営業しており、周囲の海域で生息する魚など約200種が常時観賞できます。特に、最大規模の水槽では大型のマダラエイやタマカイなどが飼育されています。

タッチングプール

このエリアは無料で、訪問者が魚やナマコに直接触れることができるため、特に子どもたちに人気でした。

エネルギー展示室

エネルギーについての学びを深めることのできる場所で、無料で提供されていました。

魚っ知コーナー

地域の特産品やエネルギー研究の資料を紹介する無料スペースだったとされています。

商品と評価

特筆すべきは、「魚魚（とと）あわせ」というカードゲームの開発です。このゲームは、魚に関する知識を楽しみながら学べることを目指して作られ、2005年にはグッドデザイン賞を受賞しています。地域の魚介類をテーマにした複数のシリーズが制作され、全国的に評判を得ました。

このように、丹後魚っ知館は地域の海洋生物を紹介し、エネルギー教育にも力を入れていた施設でした。30年の歴史の中で多くの人々に愛され、多様な活動を展開してきたのです。

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