宮津エネルギー研究所

宮津エネルギー研究所の概要

京都府宮津市小田宿野に位置する宮津エネルギー研究所は、関西電力が運営する石油火力発電所です。この発電所は、歴史的には古い発電所の後継であり、地域におけるエネルギー供給の一端を担ってきました。

歴史の背景

宮津エネルギー研究所の起源は、1966年に閉鎖された出力1.3万kWの宮津発電所にさかのぼります。その後、1973年には出力6万kWの宮津ガスタービン発電所が建設されましたが、エネルギー供給の多様化を受け、新たな発電インフラの構築が求められるようになりました。

1977年、当時の京都府知事蜷川虎三氏がエネルギー研究所の設立を構想し、1985年に工事が開始されました。大煙突の設計は当初200メートルを予定していましたが、観光地である傘松公園からの眺望を考慮し、最終的には198メートルに修正されました。

1989年に1号機、同年12月には2号機がそれぞれ運転を開始し、発電所としての機能を果たしました。また、その敷地内には水族館とPR施設の役割を持つ丹後魚っ知館も開館しました。

運転停止と今後

しかし、2002年に1号機の稼働を停止し、2004年には2号機も停止しました。以来、20年間近く稼働しない状態が続き、2023年5月31日には両機が正式に廃止される予定です。同じく、丹後魚っ知館も2023年5月30日に閉館が決まっています。

発電所の閉鎖後は、関西電力によって跡地が整備され、2028年度を目指して企業誘致エリアとしての再活用が計画されています。

特徴と研究活動

宮津エネルギー研究所では、かつて省エネルギーや温排水の利用に関連する研究が行われており、2011年には温水を利用した水産関連の研究が進められていました。しかし、2012年には新エネルギーに関する研究活動が終了しています。

敷地内には、丹後魚っ知館の他、京都府の農林水産技術センター海洋センターや栽培漁業センターも近隣に立地しており、地域の研究と教育の場としての役割も果たしていました。

エネルギー供給の変遷

石油火力発電所である宮津エネルギー研究所は、原油価格の変動や国内の経済情勢による電力需要の変動に影響を受けやすい特性を持っていました。不況による需要の停滞や設備の老朽化により、長期にわたって操業を停止する結果となりました。

発電設備の詳細

発電所の総出力は75万kWで、1号機と2号機はそれぞれ37.5万kWの定格出力を有し、重油や原油を燃料としていました。両機ともに1989年に営業運転を開始しましたが、その後の運転停止により現状では0％の稼働率が続いています。

関連項目

• - 日本の火力発電所一覧
• - 関西電力
• - 丹後魚っ知館

このように、宮津エネルギー研究所は歴史的な背景と共に地域に貢献してきた発電所ですが、時代の変化に対応しきれず、廃止される運命にあります。

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