丹生川ダム

丹生川ダム（にゅうかわダム）

丹生川ダムは、岐阜県高山市の丹生川町に位置する、神通川水系の荒城川に建設された重力式コンクリートダムです。その高さは69.5メートルであり、洪水の調節や不特定の利水、上水道、さらに発電を目的とする多目的ダムとして設計されています。ダム湖は五味原湖と呼ばれ、周囲の自然環境と調和した美しい景観を持つことから、2013年にグッド[[デザイン賞]]を受賞し、2014年には土木学会デザイン賞の奨励賞も獲得しています。

歴史的背景

荒城川は飛騨山脈の西側斜面に水源を持ち、日本三百名山の一つである川上岳から始まる河川で、宮川の支流として富山湾へと流れ込んでいます。この地域は、歴史的に水害や土砂災害が発生しており、1983年の台風10号や1999年の梅雨前線、さらには2004年の台風23号などの影響を受けてきました。これに伴い、1963年から治水のための河川改修が進められ、1989年には丹生川ダムの建設計画が開始されました。

ダムは、洪水調節のために設計され、基本高水量は200立方メートル毎秒と予想され、その130立方メートル毎秒をダムで管理することとなりました。また、灌漑などの渇水問題も考慮され、河川の正常な機能維持のための水量が確保されています。さらに、南西部の上水道用水としての取水も行えるように計画されています。

建設の進展

岐阜県は1975年から丹生川ダムの実施計画を調査し、1989年度に工事が始まりました。1990年度からは工事用の道路が建設され、1992年度には補償協定が締結されました。水没地域からの移転作業も1993年度に完了し、ダムの本体工事は2006年度から始まりました。2011年には試験的な湛水が行われ、2012年には正式に竣工しました。運用は同年6月から開始され、以降は地域の水の安全を支え続けています。

発電能力

ダム直下には丹生川発電所があり、2015年に着工し2016年に営業運転を開始しました。この発電所では、ダムからの河川維持水を利用して最大350キロワットの電力を生み出し、年間では約210万キロ[[ワット時]]の発電が見込まれています。

周辺環境

丹生川ダムへは高山市の中心市街地を出発点としてアクセスでき、国道158号を東へ向かい、丹生川町から岐阜県道89号で続く道を進むと到着します。ダムの天端は車道として利用可能で、ダム管理所周辺は公園として整備されており、住民や観光客の憩いの場となっています。また、ダム湖である五味原湖は周囲の自然環境の中で魅力的なスポットとなっています。ダムの近くには荒城温泉の恵比須之湯もあり、リラックスしたい訪問者にとっても素晴らしいエリアとなっています。

まとめ

丹生川ダムは、地域の治水や利水機能を支えるだけでなく、デザインの観点からも評価される素晴らしい施設です。地域住民や訪問者にとって大変重要なインフラであり、今後もその機能と美しさを保ちながら、災害の予防と持続可能な水利用を推進していくことでしょう。

もう一度検索