久世重之

久世重之は、江戸時代前期から中期にかけての大名であり、老中を務めた人物です。関宿藩初代藩主・久世広之の三男として生まれました。

生涯



延宝7年(1679年)に関宿藩主となり、その生涯で下総関宿藩(現在の千葉県野田市関宿三軒家)、備中国庭瀬藩(現在の岡山県岡山市北区庭瀬)、丹波国亀山藩(現在の京都府亀岡市)、そして三河国吉田藩(現在の愛知県豊橋市)へと転封を繰り返しました。宝永2年(1705年)には、再び関宿藩に戻っています。

元禄9年(1696年)には、但馬国出石藩で小出氏が後継ぎなく断絶した際、出石領内で暴動が発生しましたが、隣国亀山藩主であった重之がこれを鎮圧しました。幕府では、45歳の時に三河吉田藩主として寺社奉行に任じられたのを皮切りに、若年寄を経て、下総関宿藩主に戻った翌年の正徳3年(1713年)から享保5年(1720年)まで老中を務めました。この間、1万石の加増を受け、都合6万石を領しました。また、新井白石の学問を深く敬い、幕閣に味方の少ない正徳の治を側面から支え、正徳金銀鋳造の責任者も担当しました。

重之の死後、家督は四男の暉之が継承しました。

逸話



『土芥寇讎記』によると、若い頃は男色に耽り、色白で化粧をした男性を好んでいましたが、成長するにつれてその趣味を止めたとされています。また、同書では、儒学に対して「無学無能」であるとも評されています。

経歴



1659年万治2年):誕生
1679年延宝7年):下総関宿藩主就任
1683年(天和3年):備中庭瀬藩に転封
1686年貞享3年):丹波亀山藩に転封
1697年元禄10年):三河吉田藩に転封
1704年宝永元年):寺社奉行
1705年宝永2年):若年寄。下総関宿藩に再封
1713年(正徳3年):老中
1720年享保5年):在職中に死去。享年61。
墓所:本妙寺(東京都豊島区

系譜



母:
久世広之(
正室:
土井利房の次女
子女:
久世暉之(四男)
久世広籌(五男)
久世広般(九男):久世広貞の養子
松平康員正室
石川総慶正室

久世重之は、激動の時代を生き抜き、幕府の要職を歴任した人物として、歴史に名を刻んでいます。

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