久世広之

久世広之：江戸幕府を支えた名将

久世広之（くぜ ひろゆき）は、江戸時代前期に活躍した大名であり、若年寄、老中といった幕府の要職を歴任した人物です。下総国関宿藩の初代藩主として、その名を知られています。武家官位は従四位下大和守。

生涯

慶長14年（1609年）、徳川氏の家臣である久世広宣の三男として生まれました。元和8年（1622年）には、江戸幕府2代将軍・徳川秀忠の小姓となり、その後、寛永元年（1624年）には3代将軍・徳川家光の小姓となりました。寛永3年（1626年）には、兄・広当から下総国海上郡内に500石を分与され分家しました。その後、寛永12年（1635年）には徒頭に任命され、翌年の寛永13年（1636年）には従五位下に叙位され、大和守を名乗るようになりました。

寛永15年（1638年）には小姓組番頭に任じられ、寛永18年（1641年）には4500石の加増を受け、合計5000石となりました。正保3年（1646年）には、長崎出島から江戸に赴いたオランダ商館長レイニール・ファン・ツムと会見しています。慶安元年（1648年）には、さらに5000石を加増され合計1万石となり、大名に列することとなりました。

承応2年（1653年）9月には、土屋数直、牧野親成と共に4代将軍徳川家綱の御側となります。万治2年（1659年）には5000石が加増され合計1万5000石、寛文2年（1662年）には若年寄に就任し、さらに5000石を加増され合計2万石となりました。寛文3年（1663年）には老中に就任し、従四位下に昇叙。翌年の寛文4年（1664年）には、さらに2万石が加増され合計4万石となりました。

寛文6年（1666年）には、稲葉正則、阿部忠秋、酒井忠清と共に、4老中の連名で諸国山川掟を発令しています。寛文9年（1669年）には、さらに1万石が加増され、合計5万石となり下総国関宿城を拝領しました。

延宝7年（1679年）に71歳で死去。遺領は三男の重之が継ぎました。墓所は東京都豊島区の本妙寺にあります。

系譜

実家
父：久世広宣（旗本寄合）
母：奥原経重の娘
兄：久世広当（旗本寄合）
妹：大久保忠当正室（旗本）

自家
正室：戸田忠能養女（実父：戸田忠次、旗本）
三男：久世重之
女子：遠山友貞正室（美濃国苗木藩主）
女子：松平重治正室（上総国佐貫藩主）
女子：内田正衆正室（下野国鹿沼藩主）
養子：久世広次（実父：久世広当）

関連事項

文治政治：久世広之が活躍した時代背景として、武力ではなく政治によって国を治める文治政治が推進されていました。
能見台：久世広之に関連する地名として、能見台があります。

久世広之は、その生涯を通じて徳川幕府を支え、特に若年寄、老中として幕政に深く関与しました。その功績は、現代においても高く評価されています。

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