石川総慶

石川総慶（いしかわ ふさよし）

石川総慶は、江戸時代中期に活躍した大名です。山城国淀藩の第3代藩主、備中国松山藩主を経て、伊勢国亀山藩の初代藩主となりました。伊勢亀山藩石川家6代当主にあたります。

生涯

宝永元年（1704年）12月5日、山城淀藩主・石川憲之の嫡孫である石川勝之の長男として江戸で生まれました。しかし、父が早世し、総慶自身も幼少であったため、総慶の大叔父（祖父昌能の弟）の義孝が淀藩の第2代藩主となりました。

宝永7年（1710年）に義孝が亡くなると、その養子として家督を継ぎ、淀藩主となります。しかし、翌宝永8年（1711年）2月、備中松山へ移封されました。享保3年（1718年）12月には、従五位下、主殿頭に叙位・任官しました。

延享元年（1744年）3月、板倉勝澄と交代する形で伊勢亀山に移封されました。亀山入封後、相次ぐ移封に加え、寛延元年（1748年）と明和元年（1764年）には守山宿での朝鮮通信使饗応役を務めたため、多額の出費を余儀なくされました。

さらに、前藩主の板倉勝澄が亀山領内に残した借金4万9千9百余両の返済も負担しなければならず、藩財政は著しく困窮しました。「鈴鹿郡野史」には、板倉家が残した借財について、「武士の威信を失墜すること甚だしきを以て後任城主石川総慶の政治上に大なる支障を生ずるに至れり」と記録されています。総慶は倹約令などを出しましたが、効果は上がりませんでした。

亀山入封後、藩財政の立て直しとともに、総慶は藩教学の奨励に力を尽くしました。「三重県教育史」によると、前田平治、池上藤吉、福島助三ら多数の学者を招聘しました。また、この頃、高橋道八が陶芸のために士分を離れることを許しています。

明和元年（1764年）6月30日、江戸で亡くなりました。享年61歳。長男の総英が早世していたため、次男の総尭が跡を継ぎました。

系譜

父母
実父：石川勝之
実母：柘植氏（側室）
養父：石川義孝

正室
久世重之の娘

側室
杉田氏
まん（吉野氏）
樋口氏
高島氏
服部氏
音羽氏

子女
長男：石川総英
次男：石川総尭（生母は吉野氏）
娘：愛姫（松平頼済正室）
娘：酒井忠大正室
娘：阿充（石川総弾正室）
娘：花園季文室

参考文献

『新訂 寛政重修諸家譜 第3』続群書類従完成会、1981年
『石川家譜難波録』
『鈴鹿郡野史』（柴田厚二郎 1947年）
『鈴鹿郡郷土誌』（三重県鈴鹿郡教育会 1915年）

外部リンク

* 亀山市. “亀山市史”. 2014年1月17日閲覧。

もう一度検索