久之浜港

久之浜港の概要

久之浜港は福島県いわき市久之浜町久之浜にある地方港湾で、その北部にある久之浜地区、特に殿上崎の北側に位置します。この港は、避難港としての役割を果たす地方港湾と、漁業専用の第2種漁港の整備が進められています。地域の漁業の拠点としてだけでなく、最近では砂利の積出港としても機能しています。

港の歴史

久之浜港の歴史は大正時代にさかのぼります。この時期、地域の漁業振興を目的とした防波堤の建設が始まりました。昭和初期には泊地の浚渫工事が行われ、漁業用の施設が整っていきました。しかし、漁船の大型化と水産業の発展に伴い、既存の港湾設備が対応しきれなくなったため、1951年7月に福島県が港の管理を引き受け、必要な整備と維持管理を行ってきました。

また、久之浜港は周囲の海域が好漁場であるため、多くの漁船が集まります。しかし、北海道航路にも関わらず、南側の塩屋埼から烏崎までの60kmの海岸線には投錨地がほとんどなく、これが避難港としての必要性を高める要因となりました。1957年に、この港は地方港湾として避難港に指定され、1960年にはその港湾区域が公式に告示されました。

1962年度からは本格的な地方港湾としての整備が始まり、1980年度には沖防波堤の建設が開始され、1989年度にその工事が完了しました。

東日本大震災の影響

久之浜港は、2011年3月11日の東日本大震災によって大きな被害を受けました。しかし、地域の漁業者はその後も懸命に復興に取り組み、2013年10月には被災後初の試験操業が行われました。そして、2019年9月には久之浜魚市場が震災後8年ぶりに再開し、地域の水産業が徐々に回復しています。

漁業と周辺施設

現在の久之浜港では、沖合底引網漁やサケ、カレイなどの漁業が行われています。地域の漁業振興に寄与しているこの港を支えるために、福島県道157号久之浜港線や福島県道161号久ノ浜停車場線、さらには福島県道395号四倉久之浜線といった主要道路も整備されています。また、大久川も港の近隣に流れ、地域の自然環境を形作っています。

おわりに

久之浜港は、地域の歴史とともに成長を続けてきた重要な港です。水産業だけでなく、地域経済全体にとっても欠かせない存在であり、今後のさらなる発展が期待されています。

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