久保田譲

久保田譲について

久保田譲（くぼた ゆずる）、1847年生まれで、1936年に亡くなった日本の文部官僚および政治家です。彼は明治時代の教育制度改革に大きな影響を与えた人物として知られています。位階勲等は正二位勲一等であり、男爵の称号も持っています。旧名は譲之助または譲二郎でした。

生い立ちと教育の始まり

久保田譲は但馬国豊岡藩の久保田周輔の次男として豊岡本町に誕生しました。若い頃から教育に情熱を持ち、藩校・稽古堂で儒学者池田草庵に学びました。さらに、私塾・青谿書院で文武を修めた彼は、1867年には二宮尊行に弟子入りし、報徳仕法を学びました。

官僚としてのキャリア

1869年、日光県に出仕し、開墾方主役として復興事業を担当。1871年に日光県が廃県になると辞職、その後東京へ移り、慶應義塾大学に入学しました。在学中、小幡篤次郎らの推薦で明六社に参加し、1872年に文部省に入省しました。

彼は次第に出世し、文部大書記官、会計局長を経て文部省の大臣にも就任しました。特に、広島師範学校長として、ローマ字教育を提言したことで知られています。1893年には文部省を退官した後、貴族院議員に勅選され、学制改革の中心的な役割を果たしました。

学制改革への貢献

彼は1899年、文部省改革を進めるために「学制改革同志会」を結成しました。教育制度における官立と私立の差別を無くすことを目指し、多くの私立大学設立を提唱しました。また、大学卒業までの修業年限短縮を求める学制改革運動を展開しました。これにより、東京帝大との間で激しい論争も起こりました。

文部大臣としての活動

1903年には第1次桂内閣の文部大臣として任命されましたが、日露戦争の影響で対露強硬派との対立が生じ、辞任を余儀なくされました。その後、大正6年には臨時教育会議副総裁に就任し、枢密顧問官としても活躍しました。

親族と後世への影響

久保田譲は、長男に鉄道次官や貴族院議員となった久保田敬一を持ち、弟も官僚として活躍しました。彼の教育に対する貢献は、現代の日本教育制度においても評価されています。

栄典

久保田は数々の位階を受けており、正七位から始まり、最終的には正二位に昇進しました。また、勲章も多数受章しており、その中には旭日大綬章や勲一等瑞宝章などがあります。

著作と後の評価

彼は教育制度改革に関する多くの著作を残し、特に「教育制度改革論」は非常に重要な資料とされています。久保田譲の活動や思想は、今後も教育史の中で重要な位置を占め続けるでしょう。

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