久保田豊 (政治家)

久保田豊：激動の時代を駆け抜けた政治家の生涯

久保田豊（くぼた ゆたか、1905年10月4日 - 1965年10月24日）は、日本の政治家であり、衆議院議員を5期、韮山村長を2期務めました。彼の生涯は、激動の昭和時代を反映しており、教育者、満州国での活動、そして戦後の政治家としての活躍など、多岐にわたる経験に彩られています。

生い立ちと教育

1905年、久保田豊は静岡県田方郡韮山村（現在の伊豆の国市）に生まれました。地元の名門校である静岡県立韮山中学校、静岡高等学校を経て、東京帝国大学法学部に進学。さらに経済学部にも籍を置きました。大学在学中は、社会主義思想研究団体である新人会に所属し、社会問題への関心を深めました。大学卒業後は、静岡県立田方農学校で教鞭を執り、後進の育成に尽力しました。

満州国での活動

1933年、久保田豊は満州国に渡り、ハルピン日日新聞の記者として活動を開始。その後、満州国協和会の職員として、満州国の政治・社会に関与しました。1942年には、満州国東満総省雞寧県の県長に就任し、地方行政に携わりました。満州国での経験は、彼の政治観や世界観に大きな影響を与えたと考えられます。

戦後の政治家として

第二次世界大戦終結後、久保田豊は帰国し、1947年に韮山村長に就任。村政の発展に尽力しました。1952年の第25回衆議院議員総選挙に静岡2区から無所属で出馬しましたが、落選。しかし、1953年の第26回衆議院議員総選挙では、労働者農民党から出馬し、初当選を果たしました。その後、衆議院議員として5期にわたり国政に携わり、農民や労働者の権利擁護に奔走しました。

1957年、労働者農民党が解党したため、日本社会党に入党。社会党の一員として、平和運動や社会福祉の向上に尽力しました。

急逝

1960年、久保田豊は衆議院議員在職中に、静岡県韮山町の自宅で急逝しました。その突然の訃報は、政界に大きな衝撃を与えました。彼の遺志は、多くの支持者や後継者によって受け継がれ、その功績は今もなお語り継がれています。

久保田豊と上田トシコ

漫画家の上田トシコは、かつてハルピン日日新聞に勤務しており、久保田豊と接点がありました。上田トシコは戦後少女漫画界の先駆者として活躍し、代表作に『フイチンさん』などがあります。

久保田豊の生涯は、激動の時代を生き抜いた一人の政治家の軌跡を示すとともに、日本の近現代史における重要な出来事と深く関わっています。彼の足跡を辿ることは、日本の政治史や社会史を理解する上で貴重な示唆を与えてくれるでしょう。

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