第26回衆議院議員総選挙

1953年4月19日に実施された第26回衆議院議員総選挙は、日本の政治史において重要な意味を持つ出来事でした。この選挙は、吉田茂首相が率いる第4次吉田内閣が厳しい政局に直面する中で行われ、後に「バカヤロー解散」として知られることになります。以下にその背景や選挙の詳細を解説します。

背景

1953年1月に再開された第15国会において、与党である自由党内の対立や野党の圧力が強まっていました。特に、自由党内の鳩山一郎派からの反発が顕著であり、支持基盤が脆弱化する危機感が漂っていました。

その中で、吉田首相は予算委員会における「バカヤロー」との不規則発言を行い、これが大きな波紋を呼びました。この発言を契機に、右派社会党は吉田首相に対する懲罰動議を提出し、政党間の緊張が一層高まります。この動議は、自由党内でも賛否が分かれ、最終的には可決されることになるのです。

吉田首相は、広川農相を罷免し、政権維持を図るものの、結果として内閣不信任決議が提出され、自由党から鳩山派が離脱して新たに分党派自由党が結成されました。これら一連の状況は、局面を一変させ、衆議院の解散を余儀なくされました。

選挙の実施

衆議院解散は1953年 3月14日に行われ、公示日は同年3月24日、投票は4月19日に行われました。選挙にあたっての改選数は466で、選挙制度は中選挙区制、投票方法は秘密投票に基づく単記投票でした。この選挙では、投票率は74.22％と比較的高い数値を示しました。

結果と影響

この選挙の結果、自由党は202議席を獲得し過半数を割り込み、鳩山自由党は35議席に留まり、改進党も議席数を減少させました。その一方で、左派社会党が72議席、右派社会党は増加し、共産党も議席を回復しました。

これにより、保守陣営の力が大きく後退したことが注目されました。政党別の議席配分は、吉田内閣が重大な試練に直面し、その後の政局に影響を与えることになったのです。

選挙後の展開

選挙の結果を受けて、吉田茂は第5次吉田内閣を組閣しました。これにより、国会では新たな動きが見られましたが、与党の状況は改善されず、しばらくの間、政治的な混乱は続くこととなります。また、1953年12月には奄美群島が復帰し、その影響で新たに議席が設けられる動きがありました。

まとめ

第26回衆議院議員総選挙は、吉田茂内閣の指導のもと、日本の政治が大きく変動するきっかけとなりました。「バカヤロー解散」という言葉が象徴するように、政治的な混乱が続く中で行われたこの選挙は、今なお日本の選挙史において重要な出来事として語り継がれています。

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