久志村

久志村の歴史と地域

久志村（くしそん）はかつて沖縄県国頭郡に存在した村であり、現在の名護市東部に位置しています。この地域は、久志地域として名護市の一部として認識されています。久志村は1908年に村制が施行されたことにより久志間切から独立した村となりました。1923年には村の北部が分かれ、新たに東村が誕生しました。また、1970年には名護町、屋部村、羽地村、屋我地村と合併し、名護市が成立したことにより久志村は消滅しました。

沿革

久志村の歴史は1673年にさかのぼります。当時、名護間切に属する10村が新たに久志間切として分立しました。1896年には国頭郡に編入され、1908年4月1日に島嶼町村制に基づいて久志村が誕生しました。この村は南北に約70kmもの長さがあり、海岸の地形は湾入が多く、非常に険しいことから、行政の運営に難しさがありました。

1923年、久志村から有銘以東の5集落が分村し、新たに東村が設立されました。この一連の出来事は、地域の分割と新たな行政区画の形成を象徴しています。沖縄戦が終息した1945年6月には、久志村も戦争の影響を受け、住民の収容所が設置され、厳しい環境が続いていました。

その後、1955年には琉球列島米国民政府の通告により、久志村内で実弾演習が行われ、1956年にはキャンプ・シュワブの土地が接収されました。このように、沖縄戦やその後の米国の影響を受けて、久志村の様相は大きく変わっていきました。

1960年代になると、勇気ある住民たちの努力にも関わらず、米軍基地の影響で久志村は依然として難しい環境にありました。しかし、戦後間もなく、旧村内のある地域ではリゾート開発も始まり、その後も観光業の発展が期待されるようになりました。

地域の分布と過疎化

久志村の地域は、久辺三区、二見以北十区、底仁屋区などに細分されていますが、特に過疎化が進んでいるのが二見以北の地域です。名護市街地に比べ、旧村域は人口が減少しており、移転された住民が市街地へと向かう傾向があります。

道路網の整備は進みましたが、旧村域の集落は街から遠く、便利な交通手段が減少しているため、生活が難しい状況にあります。最近では、名護市内でコミュニティバスの運行がはじまりましたが、それでも交通の便は限られています。

産業と生活

久志村の主な産業は農業であり、特に辺野古では漁業も行われています。海岸に近い地域ではリゾート施設も整備され、観光業が徐々に伸びてきました。カヌチャベイリゾートなどは長期滞在型のリゾートとして評判になっていますが、地元の農業や漁業がさらに発展することが望まれています。

しかし、人口減少に伴う過疎化が進行し、多くの住民が町に移住する中で、地域を維持するための様々な努力が必要とされています。特に、二見以北の地域は、アクセスの悪さも影響し、元気がなくなりつつあります。

教育と交通

久志地域には、沖縄工業[[高等専門学校]]などの教育機関があり、地域の若者に高等教育の場を提供しています。また、名護市立久志小中学校は小中一貫校として地域の教育を支えています。

交通については、国道329号と331号が主要ルートですが、過疎化の影響で路線バスの本数は少なく、利用が難しい状態が続いています。特に二見以北では、朝晩に数本しか運行されていないため、通勤や通学が難しい状況となっています。

全体として、久志村の歴史と地域の変遷は、沖縄の文化や社会の変化をしっかりと映し出しており、住民の生活やアイデンティティに深く根ざしています。今後もこの地域がどのように発展していくのか、注目が集まります。

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