久我山大学

久我山大学（くがやまだいがく）

久我山大学は、戦後の混乱期に東京都杉並区久我山に設立されたものの、わずか1年7ヶ月で廃校となった私立大学です。その短い歴史から、大学に関する現存資料は非常に少なく、大学全体の詳細はいまだ不明な点が多く残されています。

沿革

久我山大学の設立に至るまでの経緯は以下の通りです。

1942年（昭和17年）：岩崎通信機の社長であった岩崎清一によって学校建設が開始されました。
1944年（昭和19年）：財団法人岩崎学園が、久我山電波工業専門学校（電波兵器科・機械科）と久我山中学校（旧制）を開校。両校は同じ敷地内に併設されました。
1946年（昭和21年）：久我山電波工業専門学校は久我山工業専門学校に改称。電波兵器科は電気通信科と改められ、新たに電気科と化学工業科が新設されました。
1948年（昭和23年）：学制改革により、久我山中学校は新制の久我山中学校・久我山高等学校となりました。
1949年（昭和24年）3月20日：財団法人岩崎学園は、財団法人久我山学園に改称。
1949年（昭和24年）3月25日：大学設置が認可されました。
1949年（昭和24年）4月1日：久我山工業専門学校を母体として、新制の久我山大学が開学。第一学年（新入生）には約100名、第二学年には久我山工業専門学校からの移籍者約40名が在籍しました。
1949年（昭和24年）5月：久我山大学の開学式が挙行されました。
1949年（昭和24年）9月2日：久我山工業専門学校第二種が、電気事業主任技術者資格検定規則第15条の規定による認定学校となりました。
1950年（昭和25年）：久我山大学は学生募集を停止。
1950年（昭和25年）11月：久我山大学は廃止されました。在学生の処遇については、法政大学・明治大学が学生の受け入れを表明しました。
1950年（昭和25年）12月28日：久我山大学の廃校が文部省により認可。
1951年（昭和26年）3月：財団法人久我山学園は、学校法人久我山学園に改称。
1952年（昭和27年）9月10日：学校法人久我山学園と学校法人國學院大學の合併が宣言されました。久我山中学校・久我山高等学校は、國學院大學久我山中学校・高等学校へ改称。
1952年（昭和27年）12月23日：学校法人久我山学園と学校法人國學院大學との合併が文部省により認可されました。

教育および研究

組織

工学部
電気工学科
機械工学科

設立前の計画では、上記の学科の他に工学部応用化学科、経済学部（経済学科・経営学科・貿易学科・交通学科）の設置が予定されていましたが、実現には至りませんでした。

入学試験は書類選考のみであり、事実上無試験の状態であったと伝えられています。

学長

大橋幹一（久我山中学校・久我山高等学校長を兼任）

主な出身者

渡辺茂男（児童文学者、久我山工業専門学校卒業）

所在地

東京都杉並区久我山二丁目694

現在の國學院大學久我山中学校・高等学校及び國學院大學附属幼稚園のある敷地（現在の東京都杉並区久我山一丁目9-1）に、國學院大學久我山中学校・高等学校の前身である久我山中学校・久我山高等学校と共に所在していました。

参考文献

國學院大學久我山高等学校『國學院大學久我山高等学校草創期史』、1984年

関連項目

一度も卒業生を出さずに廃止になったまたはそう思われる大学・短期大学
立志舘大学
中部短期大学
湘南工業短期大学
浦和商業短期大学

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