渡辺茂男

渡辺茂男 - 児童文学者・翻訳家

渡辺茂男（わたなべ しげお、1928年3月20日 - 2006年11月18日）は、日本の著名な児童文学作家であり、翻訳家です。彼は慶應義塾大学文学部で教鞭を執りながら、多くの児童文学作品を創作し、また海外からの作品の翻訳でも広く知られています。

生い立ちと経歴

渡辺は静岡県静岡市で生まれ、静岡県立静岡商業学校と久我山工業専門学校を経て、慶應義塾大学文学部図書館学科を卒業しました。その後、アメリカのウェスタン・リザーブ大学大学院に進学し、卒業後はニューヨーク公共図書館児童部で勤務しました。1975年まで慶應義塾大学で教授として教え、児童文学の発展に大いに寄与しました。

大学生活の中で、彼は当時の著名な児童文学者石井桃子と出会い、彼女が中心となる「ISUMI会」にも関わることになります。このことが、児童文学への関心を高める契機となりました。また、渡辺は日本国際児童図書評議会（JBBY）の創立にも深く関わりました。

業績と受賞歴

渡辺茂男は、特に1969年に執筆した『寺町三丁目十一番地』で厚生大臣賞を受賞し、1970年にはサンケイ児童出版文化賞、1980年にはモービル児童文化賞を受賞しました。さらに、1986年には「子どもの本世界大会」の実行委員長を務め、1994年には『月夜のじどうしゃ』で講談社出版文化賞絵本賞を獲得しました。これらの業績は、彼が児童文学界においていかに影響力を持っていたかを示しています。

主な著書と翻訳作品

渡辺は多数の児童文学作品を創作しており、特に人気のある作品には『しょうぼうじどうしゃじぷた』や『パトカーぱとくん』、さらには『月夜のじどうしゃ』が含まれます。また、彼は翻訳家としても非常に多くの作品を手掛け、特に「エルマーのぼうけん」シリーズや「おさるのジョージ」シリーズは広く親しまれています。

創作作品の一部

• -『しょうぼうじどうしゃじぷた』
• -『月夜のじどうしゃ』
• -『もりのへなそうる』

翻訳作品の一部

• -『エルマーのぼうけん』シリーズ
• -『銀のうでのオットー』
• -『おさるのジョージ』シリーズ

私生活

渡辺の私生活においては、1991年に最初の妻と死別後、3人の息子がいます。長男の渡辺鉄太も翻訳家として活躍しており、父と同じ道を歩んでいます。1965年からは多摩市の桜ヶ丘に居を構え、人生の大半をそこで過ごしました。

最後の時

渡辺茂男は2006年11月18日に出血性脳梗塞により他界しました。享年78歳。彼の業績は今もなお、多くの児童文学ファンや後の作家たちに影響を与え続けています。彼の作品は、その普遍的なテーマや心温まるストーリーで、世代を超えて愛されることでしょう。

結論

渡辺茂男は、戦後日本における児童文学の発展に尽力した重要な人物であり、その残した作品は今日でも多くの子供たちに親しまれています。彼の業績は、児童文学の持つ力や可能性を示すものとして、これからも語り継がれることでしょう。

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