久比岐国造

久比岐国造の歴史と背景

久比岐国造（くびきのくにのみやつこ・くびきこくぞう）は、古代日本の国の一つで、久比岐国を支配した重要な存在です。彼らの歴史は先代旧事本紀に記されており、崇神天皇の時代に大和直と同祖の御戈命が任命されたとされています。本記事では、久比岐国造の先祖、氏族、本拠地、氏神、関連神社や子孫について詳しく解説します。

先祖と氏族

久比岐国造はその名の通り久比岐国を支配した氏族であり、その先祖は『先代旧事本紀』の「国造本紀」に記載されています。それによると、彼らの先祖である御戈命は、崇神時代に国造に任命されたとされています。

この国造を支える氏族は頸城氏（くびきうじ）で、さらにその後裔として青海氏（おうみうじ）があります。青海氏は、倭国造の系譜を持ち、『新撰姓氏録』においても椎根津彦命の子孫であるとされています。このように、久比岐国造はただの支配者にとどまらず、複数の氏族を形成する重要な役割を果たしました。

本拠地と支配領域

久比岐国造が支配していた領域は、古代には久比岐国と呼ばれ、この地域は現代の越後国頸城郡の西部、具体的には糸魚川市に相当します。歴史的な古墳の築造状況や地名、特に深江の存在からも、久比岐国造の本拠地は上越市や妙高市ではなく糸魚川市にあったことが示唆されています。

著名な研究者である宝賀寿男は、国造に由来する地名が糸魚川市に多く存在していることを指摘し、つまり久比岐国造の本拠が糸魚川にあることがより妥当であると主張しています。これにより、久比岐国造の影響が地域に広く及んでいたことが伺えます。

氏神と関連神社

久比岐国造の氏神として考えられているのは、式内社の青海神社です。この神社では国造の祖神である椎根津彦命を祀っています。青海神社は古代の信仰の中心として機能しており、地域の人々にとって重要な存在でした。

また、大神社（おおみわのかむやしろ）も関連神社の一つで、糸魚川市大字平に位置しています。この神社は宮司を務める佐藤氏の遠祖である美保古命（御戈命）を祀っています。これらの神社は、国造との結びつきを持ちながら、地域の信仰を支えていました。

子孫とその影響

久比岐国造には子孫や関連人物もいます。その一例として青海夫人勾子が挙げられます。彼女は古墳時代に生き、欽明天皇の時代において女官として重要な役割を果たしました。特に、天皇が出仕しない大伴金村のもとに遣わされたことは、彼女の重要性を物語っています。

まとめ

久比岐国造は古代日本におけるひとつの国家形成の過程を知る上で欠かせない存在です。彼らの先祖や支配領域、氏神、関連神社、さらには子孫である青海夫人勾子に至るまで、久比岐国造の影響は後世にまで及び、地域の文化や歴史に大きな影響を与えてきました。

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