久遠利三

久遠利三：日本の銀幕とブラウン管を彩った名優

久遠利三（くどう としぞう、1928年4月16日-）は、日本の俳優である。青森県青森市出身。本名は工藤直彦。日本大学芸術学部映画学科を卒業後、日活に入社し、数々の映画やテレビドラマに出演した。

華麗なるキャリアの幕開け：日活時代

1955年、映画『若き魂の記録 七つボタン』で俳優デビューを果たす。その後、日活作品に多数出演し、幅広い役柄を演じ分けた。初期の作品では端役が多かったものの、持ち前の演技力で着実に存在感を増していった。

日活時代に出演した作品には、『人間魚雷出撃す』、『紅の翼』、『天と地を駈ける男』など、多様なジャンルにわたる作品が含まれる。これらの作品において、久遠は兵士、警察官、会社員など、社会の様々な階層の人物を演じ、その演技力は高く評価された。特に、時代劇や任侠映画への出演が多く、渋みのある演技で多くの観客を魅了した。

多様な作品への出演：映画からテレビへ

日活を退社後も、久遠の俳優としてのキャリアは途絶えることはなかった。映画だけでなく、テレビドラマにも積極的に出演し、その活動の幅を広げた。

映画作品では、『大巨獣ガッパ』などの特撮作品から、『野性の証明』、『太陽を盗んだ男』といった話題作まで、ジャンルを問わず様々な作品に出演。個性豊かな役柄で、作品に深みを与えた。

テレビドラマにおいては、NHKの大河ドラマを始め、民放各局の作品にも多数出演。時代劇から現代劇まで、幅広いジャンルで存在感を示した。特に、『太陽にほえろ!』シリーズ、『大都会シリーズ』、『特捜最前線』などの刑事ドラマへの出演が多く、ベテラン俳優としての貫禄を見せつけた。これらの作品で演じた刑事や医師、会社社長などの役柄は、視聴者から高い支持を得た。

Vシネマにも出演しており、その活動は多岐に渡る。

脇役としての存在感

久遠利三は、主役を張ることは少なかったが、脇役として圧倒的な存在感を放つ俳優であった。彼の演技は、決して派手ではないが、自然で、時にユーモラスで、時に重厚で、観る者に深い印象を残した。その存在感こそが、久遠利三という俳優の真骨頂であったと言えるだろう。

俳優としての功績

久遠利三は、長年にわたる俳優生活の中で、数多くの作品に出演し、日本の映画・テレビドラマ界に大きな貢献を果たした。その演技力は、後進の俳優たちにも大きな影響を与えたことは間違いない。 彼の功績は、これからも日本の映像文化の歴史に刻まれ続けるだろう。

主要出演作品リスト

映画
人間魚雷出撃す (1956)
紅の翼 (1958)
天と地を駈ける男 (1959)
やくざの詩 (1960)
大巨獣ガッパ (1967)
野性の証明 (1978)
太陽を盗んだ男 (1979)
二百三高地 (1980)
座頭市 (1989)
あぶない刑事リターンズ (1996)

テレビドラマ
太陽にほえろ! (1978-1986)
大都会シリーズ (1976-1979)
特捜最前線 (1977-1984)
NHK大河ドラマ　国盗り物語 (1973) 、草燃える (1979)、おんな太閤記 (1981)など多数
水戸黄門 (1986-1997) など多数

その他
劇団新樹座、サンプロモーション所属

久遠利三のキャリアは、日本の映画・テレビドラマ史において重要な位置を占めている。 彼の多様な役柄と、確かな演技力は、これからも多くの観客を魅了し続けるだろう。

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