大巨獣ガッパ

大巨獣ガッパ

『大巨獣ガッパ』は、1967年4月22日に公開された日活製作のカラー怪獣映画です。怪獣映画ブームに乗って製作されましたが、倫理観や家族愛をテーマにした特異な作品として知られています。

概要

日活初の本格的な特撮怪獣映画であり、複数のプロットとパイロットフィルムを経て完成しました。監督は野口晴康、主演は川地民夫。南海の島で発見された巨大生物ガッパの子供を巡り、親ガッパが東京を襲撃するというストーリーです。

ストーリー

週刊誌『プレイメイト』の記者である黒崎浩は、カメラマンの小柳糸子、東都大学生物学助教授の殿岡らと共に、南海の島で生物採集を行っていました。彼らはキャサリン諸島のオベリスク島で巨大な石像を発見し、その地下からガッパの子供を発見します。黒崎は、ガッパの怒りを恐れる島民の反対を押し切って、子ガッパを日本へ連れ帰ってしまいます。

子供を連れ去られた親ガッパは怒り狂い、東京へ向かいます。自衛隊の攻撃も通用せず、東京は壊滅の危機に瀕します。しかし、サキという少年が現れ、「子ガッパを返せば親ガッパは帰る」と訴えます。黒崎たちは子ガッパを親ガッパに返し、ガッパの親子は仲良く南の島へ帰って行きました。

大巨獣ガッパの特徴

ガッパは、全身が三角形の鱗で覆われ、背中に大きな羽根を持つ怪獣です。陸・海・空に適応しており、口からは4000度の高熱線を放射します。夫婦と子供が存在し、子供を思う親の愛情は人間以上です。都市を破壊しますが、それは子供を取り返すための行動であり、怪獣映画としては珍しく叙情的な作品となっています。

制作の背景

本作は、当時の怪獣ブームに乗って製作されましたが、単なる怪獣映画に留まらないテーマ性を持っています。企業や科学者の倫理、家族を顧みない親への批判など、社会的なメッセージも込められています。

影響と評価

『大巨獣ガッパ』は、怪獣映画としては異色の作品であり、その独特な世界観は多くのファンを魅了しています。ハッピーエンドで終わる点や、親子の愛情を描いた点も、他の怪獣映画とは一線を画しています。

登場兵器・メカニック

架空
不協和音発生装置：河口湖に潜伏するガッパを追い出すために開発された装置。
実在
61式戦車
60式装甲車
F-104J戦闘機

キャスト

黒崎浩：川地民夫
小柳糸子：山本陽子
殿岡大造：小高雄二
サキ：町田政則

スタッフ

監督：野口晴康
原案・特技監督：渡辺明
脚本：山崎巌、中西隆三
音楽：大森盛太郎

音楽

主題歌：「大巨獣ガッパ」歌：美樹克彦
挿入歌：「がんばれ仔ガッパ」歌：ダニー飯田とパラダイス・キング

関連作品

宇宙大怪獣ギララ：日本特撮映画が手掛けた怪獣映画。
デスカッパ：本作をモチーフにしたアメリカ・日本合作映画。

『大巨獣ガッパ』は、単なる怪獣映画としてだけでなく、家族愛や倫理観をテーマにした作品として、今もなお多くの人々に愛されています。

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