乙未改革

乙未改革の概要

乙未改革は、19世紀末における朝鮮の近代化を目指した重要な改革であり、1895年から1896年にかけて実施されました。この改革は、日清戦争に勝利した日本の影響下で行われ、甲午改革の流れを引き継いだものです。しかしながら、乙未改革を甲午改革の一部と捉える見方も存在します。

背景

1894年から1895年にかけて、日本は日清戦争で勝利を収め、その結果として朝鮮半島における自己主張が一時的に強まりました。しかし、この優勢は三国干渉によって蹴散らされ、日本の影響力が減退します。王妃の閔妃を中心とする親露派が台頭し、甲午改革は停滞を余儀なくされました。こうした状況下で、1896年に閔妃が暗殺された（乙未事変）ことをきっかけに、金弘集内閣（第4次）が再び改革に着手します。

改革の内容

乙未改革では、さまざまな急進的な近代化策が実施されました。主な内容には次のようなものがあります。

1. 断髪令の施行：伝統的な髪型を禁じ、新しい髪型を受け入れるよう国民に促しました。
2. 旧暦から太陽暦への移行：日常の生活や事務処理をより効率化するための措置として、旧暦から新しい太陽暦への変更が行われました。
3. 新年号「建陽」の制定：新しい時代の幕開けを象徴するため、新しい年号が設定されました。
4. 教育制度の整備：小学校の設立を通じて、国民教育の普及が図られました。
5. 郵便網の整備：コミュニケーション手段の向上を目指した郵便制度の整備が進められました。
6. 種痘法の施行：伝染病対策の一環として、種痘を通じた予防接種が実施されました。
7. 軍制改革：軍隊の近代化を目指し、訓練や組織の改革が行われました。

これらの施策は、近代国家の体制を築こうとする試みでありましたが、特に断髪令は伝統を重んじる人々からの激しい反発を呼びました。

改革の終息

1896年2月11日には国王の高宗がロシア公使館に移る出来事が起こり（露館播遷）、金弘集や魚允中は群衆に襲撃を受けて命を落としました。こうして乙未改革は終焉を迎えます。さらに、改革の成果が期待された中、1895年11月からは再び義兵斗争が勃発し、朝鮮全土に波及することとなります。地方の官吏や日本人が襲撃され、軍用電信線が切断されるなどの妨害活動が頻発しました。

この改革は、朝鮮の近代化を進めた一方で、伝統との軋轢を生む結果となり、その後の歴史に大きな影響を与えることとなりました。

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