九二式艦上攻撃機

九二式艦上攻撃機の概要

九二式艦上攻撃機（きゅうにしきかんじょうこうげきき）は、日本の海軍が開発した艦上攻撃機です。この機体は、当初、八九式[[艦上攻撃機]]の後継機として位置付けられていましたが、実際には旧式の一三式[[艦上攻撃機]]の要素を大幅に改良したものとして誕生しました。

昭和7年（1932年）、日本海軍は、八九式[[艦上攻撃機]]に代わる機体の開発を指示しました。中島と三菱の2社に開発を委託する一方で、海軍航空廠も独自に開発を進めると決定しました。海軍航空廠では、旧式化していた一三式[[艦上攻撃機]]を基に機体の各部を改修した試作機を製作しました。これにより、開発リスクを軽減しつつ、より早く後継機を実用化することを目指しました。

試作機は中島および三菱の試作機と比較審査されましたが、性能に大きな差は見られない結果となりました。しかし、操縦性や安定性に関しては、九二式艦上攻撃機が最も優れていることが判明しました。この結果を受けて、海軍は早急に新しい攻撃機の導入を求め、昭和8年（1933年）に九二式艦上攻撃機は制式採用されることとなりました。

この機体は、一三式[[艦上攻撃機]]の設計を基にしつつ、骨組みには鋼管を使用し、より強力なエンジンを搭載するなど、大幅に改良されました。特に、広工廠から供給された新型エンジンは、性能向上に寄与していたものの、故障が頻発する問題がありました。これにより、戦闘部隊に配備された後も、エンジンのトラブルが続く結果となりました。

制式採用後、九二式艦上攻撃機は航空母艦「鳳翔」や「龍驤」に搭載され、日中戦争において重要な役割を果たしました。主な生産は愛知航空機によって行われましたが、その後、広工廠や渡辺鉄工所でも少量の生産が行われました。初期のモデルでは2枚翅のプロペラが搭載されていましたが、途中からは4翅のプロペラに変更されました。また、後期製造機には、垂直尾翼や排気管に対する改良も施され、多様なバリエーションが存在しました。

最終的に製造された九二式艦上攻撃機の総数は128機に達しました。これにより日本海軍は、日中戦争においてより効果的な空中からの支援を行うことが可能となりました。九二式艦上攻撃機は、日本軍の航空機史においても重要な位置を占めており、その設計や運用に関する知見は、後の航空機開発にも影響を与えたと言われています。

基本スペック

• - 全長: 9.50m
• - 全幅: 13.50m
• - 全高: 3.73m
• - 全備重量: 3,200 kg
• - エンジン: 広廠91式 液冷W型12気筒 750hp×1
• - 最大速度: 218km/h
• - 航続時間: 4.5時間
• - 武装:

- 7.7mm機銃×2
- 爆弾800kgまたは魚雷×1

• - 乗員: 3名

九二式艦上攻撃機は、当時の日本海軍において運用される艦上攻撃機として、多くの戦闘と任務でその存在感を示しました。

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