九五式二型練習機

九五式二型練習機（キ6）

九五式二型練習機、通称キ6は、第二次世界大戦前に日本陸軍で使用された練習機です。設計と製造は中島飛行機によって行われました。日本陸軍は海軍における機上作業用の練習機が必要であったため、1933年10月には三菱に対して海軍仕様の九〇式機上作業練習機の陸軍版であるキ7の試作を発注しました。同時期、中島飛行機には民間向けに国産化したフォッカー スーパーユニバーサル旅客輸送機の機上作業練習機として改造したキ6の試作も命じられました。

開発の経緯

キ6の試作1号機は1934年3月に完成し、翌年の1935年8月には正式に制式採用されました。ストレートなデザインのキ6は、ベースとなるフォッカー・スーパー・ユニバーサル旅客輸送機と同じく高翼単葉単発の固定脚式です。この機体は主翼を合板と羽布で構成し、胴体は金属骨組みに羽布を張ったという特長があります。また、訓練に必要な艤装を航法、通信、射撃、偵察の各分野に対応できるよう改装し、不整地での使用に適応するために車輪も大型化されています。

性能と運用

この機体の稼働率は良好で扱いやすさが特徴でしたが、運用当初から既に時代遅れの設計であり、機体の構造上、実際の機上作業練習には向いていない部分もありました。そのため、キ6は試作機を含めてわずか20機のみが生産されました。また、当時の航空機の性能向上により、専用の機上作業練習機の必要性が薄れたことも少数生産の要因と考えられます。

主に偵察機の乗員養成に利用され、他にも輸送や連絡用としての役割を果たしました。それでも1941年に一式双発高等練習機が採用されるまで、細々とではありますが実戦に用いられました。

スペック

• - 全長: 11.25 m
• - 全幅: 15.44 m
• - 全高: 2.82 m
• - 主翼面積: 37.37 m²
• - 自重: 1,640 kg
• - 全備重量: 2,820 kg
• - エンジン: ジュピター7型 空冷9気筒エンジン520HP
• - 最大速度: 245 km/h
• - 航続距離: 1,045 km
• - 乗員: 5〜6名

このように、九五式二型練習機（キ6）はその特徴的なデザインと技術をもって、戦前の日本陸軍の航空訓練に貢献した歴史的価値のある機体です。

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