九州平定 (日本史)

九州平定（きゅうしゅうへいてい）

九州平定とは、九州地域に存在する敵対勢力を討ち取り、その後服従させ、安定した状態を創り出す行為を指します。この過程は、しばしば九州征伐または九州の役とも呼ばれています。特に日本の歴史では、豊臣秀吉が行った九州征伐が非常に有名であり、その影響が大きかったと言えます。

九州の概念と歴史

「九州」という言葉は、「九国」を意味し、もともとは筑前国、筑後国、肥前国、肥後国、豊前国、豊後国、日向国、大隅国、薩摩国の9つの国を指していました。この地域は、日本書紀における景行天皇の巡幸の記録にも登場しています。ただし、この場面における「九州」は、令制国成立以前の時代背景を考慮すれば、その適用には疑問が残ります。

熊襲征伐

神武天皇以来、九州地域はしばらく記紀の中に現れなくなりますが、景行天皇によって熊襲への征伐が行われたことから、九州は再び朝廷の支配下に入ったと考えられます。その後、仲哀天皇の時代にも熊襲征伐が行われましたが、初めは撃退され、最終的には神功皇后によって平定されました。

磐井の乱

継体天皇の時代には、筑紫君磐井が朝廷の軍に討たれるという事件が起き、この事件を通じて九州北部の朝廷の支配が確立したとされています。しかし、九州南部が完全に支配下に入ったのは、もう少し後の時代のことでした。720年には、南部の隼人による反乱が発生しましたが、これも鎮圧されています。

中世の九州

鎌倉時代には、戦国の動乱が始まります。この時期、源為朝が九州で数十回にわたる戦闘を行い、九州を平定したとされますが、すべてが史実であるかは疑問です。また、真剣に九州が平定されたのは、治承・寿永の乱の際、源範頼が九州に派遣された時期と考えられます。

範頼は、九州の親平氏勢力を討伐することで、源平両軍の抗争に大きな影響を与えました。彼の活動は、最終的に日本での新たな政権の成立に大きく寄与します。

南北朝時代

足利尊氏は、南北朝時代の混乱の中で九州に進出し、ほぼ全域を平定します。その後、懐良親王は南朝の大将として九州の大宰府を本拠に、長い間支配を続けました。

その後、今川貞世が足利政権から九州探題に任じられ、多くの戦を経て、九州が安定する様子が見られます。また、九州戦国時代には大友氏、島津氏、龍造寺氏らが覇権を争い、各国人衆がそれぞれの大名に与する状況が続きました。

豊臣秀吉による九州平定

豊臣秀吉の九州平定事業は、複数の戦役によって成し遂げられました。彼は九州の全域をほぼ制圧し、実質的な支配を確立しました。特に、九州停戦命令が発表され、これにより戦後の知行割りや各種法令が発布され、秩序を回復する一連の行為が行われました。これらの施策は、武力を背景としただけでなく、天皇の意向を前面に押し出したものであり、秀吉の強力な政治手腕をも示しています。

さらに、秀吉の死後、関ヶ原の戦いにおいて九州は新たな動乱の舞台となり、加藤清正や黒田長政をはじめとする武将たちが活躍しました。最終的には、九州内の大名たちは新たな体制づくりへと進むことになります。九州平定の歴史は、日本の歴史における大きな転換点の一つであり、様々な勢力の興亡が織り成す物語が広がる舞台でもあります。

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