九州横断新幹線

九州横断新幹線（きゅうしゅうおうだんしんかんせん）

九州横断新幹線は、大分県大分市から熊本県熊本市にかけての新幹線計画で、基本計画路線に追加されたものである。このプロジェクトは1973年11月15日の運輸省告示によって公式にスタートし、当初の計画では約120kmの延長が見込まれている。これは、同じく大分市と熊本市を繋ぐ既存の在来線、豊肥本線の148.0kmよりもおおよそ20%短いルートとなることが考えられている。

新幹線の起点となる大分市では、他の基本計画路線である東九州新幹線や四国新幹線との接続も視野に入っている。特に、四国新幹線と連携することで、大阪から四国、そして九州へと至る「太平洋新国土軸構想」における中核的な役割を担うことが期待されている。しかし、将来的な相互乗り入れや具体的な運行計画については、現時点では未定のままである。

九州横断新幹線の基本計画の決定は、日本が高度経済成長を謳歌していた時期に行われたが、その後、オイルショックや国鉄の経営状況が厳しくなり、計画が進展することはなかった。結果として、必要な調査すら行われず、工事の着手時期についても全く不透明な状況が続いている。

この新幹線計画に関連する交通インフラについて、沿線地域では豊肥本線があり、肥後大津駅と熊本駅の間は電化されている。2016年には熊本地震の影響でこの区間に関する運行が長期間中断されたが、2020年8月には全線が再開を果たした。こうした在来線との併用により、新幹線建設が進まなくても各地域での交通網は何とか維持されている。

また、中九州横断道路や特急バスの「やまびこ号」など地域交通のネットワークも構築されているため、九州横断新幹線が完成するまでの間、訪問客や地元住民はこのインフラを活用して移動することができる。

まとめ

九州横断新幹線は、地域の交通利便性を高めるために計画された重要な新幹線プロジェクトである。しかし、さまざまな事情から具体的な進展が見られず、将来的な実現がどのような形になるのかは不透明である。今後の計画進捗や地域の交通状況に注目が集まる中、九州横断新幹線の意義はますます重要性を増している。

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