九州配電

九州配電株式会社の歴史

九州配電株式会社は、1942年から1951年の間に九州7県と沖縄県を配電区域とした日本の電力会社です。太平洋戦争の真っ只中、電力業界は国家による厳格な規制を受け、全国に設立された配電会社の一つとして誕生しました。

設立背景

九州配電は、1941年9月に政府の命令により設立準備が始まりました。この命令は主に、配電統制令に基づくもので、九州地方における電力事業の統合が目的でした。その後、九州水力電気、九州電気、日本水電、東邦電力の4社が統合され、1942年4月1日に正式に九州配電株式会社が設立されました。

当初、九州配電の設立時には資本金2億3000万円が投入され、市場へは一部の株が公募されました。これにより、各社の統合に伴い、九州配電は配電事業を一手に引き受けることになりました。

戦時中の発展

設立後、九州配電は戦時体制の中で電気供給を増強し、特に1942年から1943年にかけて2次に分けてその他の電気事業者も統合しました。この時期には、沖縄の電気事業者も統合に入れ、沖縄県内での電力供給も行うようになりました。九州配電が担当した配電区域には、福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県の7県と沖縄県が含まれました。

しかし、戦後の1945年に接収された奄美・沖縄地域では事業の維持ができず、アメリカの施政下に入ることついて営利法人としての活動は行われなくなりました。

解散と新たなスタート

1951年、電事業再編成令が施行されたことで、九州配電は解散することになりました。これに伴い、九州7県における発電から送電、配電まで一貫して行う新たな電力会社として九州電力株式会社が設立され、九州配電の事業を引き継ぎました。この新たな会社は、従来の管理体制を引き継ぎつつも、より効率的な運営を目指しました。

社会的影響

九州配電の設立と解散は、当時の日本における電力供給体制の転換点となりました。特に戦後の電気事業再編成は地方の電力業界にも大きな影響を与え、九州電力の発足によって地域経済や産業界に対する電力供給が一層円滑になったと言えます。これにより、福岡を中心に九州地域全体が活性化し、電気網の整備が進むこととなりました。

当時、九州配電は日本発送電と共に地域電力を維持する vital な役割を担っており、現在の電力の供給体制においても、その基本が築かれた時代であったと言えます。

まとめ

九州配電株式会社は、戦時中から戦後にかけての日本の電力供給に寄与した重要な企業でした。日本の電力産業の発展における歴史的な役割を果たし、後の九州電力株式会社の設立へとつながりました。今日の電力事業は、こうした歴史の上に築かれていることを理解することが重要です。

もう一度検索