九州鉄道17形電車

九州鉄道17形電車について

九州鉄道17形電車は、1936年に西日本鉄道（西鉄）の前身である九州鉄道によって新製された電車であり、この時期の鉄道車両の変遷を示す重要な存在です。今回の車両は、もともと運行されていた1形電車の増備の一環として新たに登場しました。

車両の概要

この電車は、日本車輌製造で製造され、制御電動車として4両（モ17 - 20）が作られました。日本の鉄道が木造車両から半鋼製車両へと移行していた時期に、半鋼製の車体を持ち、約15メートルの長さと片側に3つの扉を配した構造が特徴です。車両の座席はロングシート形式で、窓は一段下降窓となっています。そのため、乗客にとって快適な移動が可能です。

技術的な特徴

電動機の出力は82kWに向上しており、運動性能も当時の基準を満たすものとなっています。台車には日車D-16が装備されており、走行性能を高めています。この形態は、本形式の製造時期における先進的な技術を反映しています。

運用の変遷

最初は単行での運転が行われていましたが、1941年以降は大牟田線での運行において常時2両以上の編成で運用されるようになりました。このため、既存の木造車両であるク50形と組み合わせて2両固定編成を形成し、効率的な運行が実現されました。1944年には中間車両を組み込むことで輸送需要に対応し、1M2Tの3両編成での運行が開始されました。

1951年には、モ10形2両にク50形1両を加えた3両固定編成に改編され、運行の柔軟性がさらに向上しました。この変更に伴い、いくつかの車両には運転台が撤去され、片運転台仕様や中間電動車への改造が施されました。

鋼体化と後の運命

1959年には、当時の50形車両の鋼体化改造が行われ、その過程でモ103からモ106までの編成が再構成されて新たな運用が開始されました。しかし、新たに600形をはじめとする車両の投入に伴い、余剰車両と化し、1962年にはモ13・14が、1967年にはモ11・12がそれぞれ宮地岳線へと転出しました。

宮地岳線では、これらの車両は改番を受け、さらなる改造が行われて運用されました。具体的には、両運転台化や中間扉の撤去による2扉化などが実施され、運用が行われましたが、後の車両の導入により1979年、1980年と相次いで廃車となりました。

結論

九州鉄道17形電車は、西日本鉄道の変遷の中で重要な役割を果たし、鉄道車両の技術や運用の進化を象徴する存在といえるでしょう。これらの車両は、地域の交通機関としての発展に貢献しつつ、その姿を変えていったのです。

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