九州電気軌道200形電車

九州電気軌道200形電車の概要

九州電気軌道200形電車は、1911年6月に開業した北九州線用に製造された電車です。この車両は、初期の木造ボギー車の1形の老朽化を受け、更新を目的に製造されました。その結果、電車の性能や快適性が向上し、さらに運用面でも重要な役割を果たしました。

車両の製造と特徴

200形電車の製造は、主に老朽化した1形の一部と、余剰になった散水車の部品を流用する形で行われました。これにより、経済的かつ効率的な更新が実現しました。車体は半鋼製で、引き戸を両端に備えており、66形電車に類似した形状が特徴です。ただし、製造を担当したメーカーによって、車体形状にはわずかな違いが見られました。

製造当初は、過去の台車（ブリル 27GE-1形）を使用したため、高床式となり、主電動機の出力も他の半鋼製電車（45kW）よりも低い37.3kWと設定されました。車内は全席ロングシートで、照明には白熱灯が使われました。

増備と性能向上

1934年から1937年にかけて、更に6両（201 - 206）と別の6両（207 - 212）が日本車輌製造と汽車製造によって導入されました。しかし、他の半鋼製電車と比較して性能不足が見られ、高速運転時の振動問題も課題となりました。この問題を解決するため、1952年には改造が施され、台車は小径のKBD-11形に変更されました。また、主電動機も出力45 kWのものに交換され、乗降扉も引き戸から2枚折戸に変更されるなど、さまざまな改良が行われました。

その後、1954年以降は照明を蛍光灯に変更するなど、車内環境の向上も図られました。これらの改良によって、200形電車はその後も北九州線での運用を続けることとなりました。

終焉とその後

全車両が北九州線の運行に使用され続けましたが、ダイヤの合理化に伴い余剰となりました。そのため1973年12月から1977年3月にかけて、全車が廃車となりました。ワンマン運転への対応工事は行われなかったため、そのまま運用を終了することとなりました。

参考文献

この電車に関する情報は、複数の資料を基にしています。主な参考文献には、朝日新聞社による『世界の鉄道 昭和39年版』や『世界の鉄道 昭和48年版』、さらに飯島巌や奈良崎博保等の著作が含まれています。それぞれの資料が、九州電気軌道200形電車の詳細やその歴史を語っています。

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