九老区

九老区（クロく）：産業と歴史が交差するソウルの区

九老区は、大韓民国ソウル特別市の南西部に位置する区であり、その名は地域に伝わる9人の年寄りの伝説に由来します。近年では、ソウルデジタル産業団地が区内に置かれ、準工業地域の割合が区の面積の30%を超えるなど、ソウル市内でも有数の工業地域として知られています。

歴史

九老区は比較的歴史の浅い区で、1980年4月1日に永登浦区から九老洞、加里峰洞など13の洞が分離して誕生しました。その後、1995年3月1日には、禿山洞、始興洞および加里峰洞の一部が京畿道光明市の一部と合併し、衿川区として分離独立しました。

地理

九老区はソウル市の南西部に位置し、安養川によって東西に二分されています。区内には天雄山などの山々や、安養川などの河川が流れており、都市部でありながら自然も身近に感じられる地域です。

行政

九老区の行政は、区長を中心に行われています。1980年の区発足当時は任命制でしたが、1995年7月からは民選区長が選ばれるようになり、4年ごとの選挙で選出されます。区議会は、区の議決機関として、16名の議員によって構成されています。

行政組織としては、企画経済局、福祉文化局、都市管理局、建設交通局、行政支援局の5つの部局と監査担当官、保健所から構成されています。

警察・消防

区内の治安は、ソウル九老警察署が担当しています。警察署の下には18箇所の派出所が設置され、地域住民の安全を守っています。消防は、九老消防署が担当し、九老と衿川地域に8箇所の119安全センターを設置しています。

教育

九老区には、東洋未来大学校、聖公会大学校、韓栄神学大学校の3つの大学をはじめ、多くの高等学校、中学校、初等学校があります。特に、ソウル公演芸術高等学校は、多くの芸能人を輩出していることで知られています。

大学
東洋未来大学校
聖公会大学校
韓栄神学大学校

高等学校
京仁高等学校
高尺高等学校
九老高等学校
九一高等学校
九賢高等学校
徳一電子工業高等学校
西ソウル生活科学高等学校
ソウル公演芸術高等学校
世宗科学高等学校
新道林高等学校
芸林デザイン高等学校
梧柳高等学校
宇信高等学校
柳韓工業高等学校

中学校
開峰中学校
開雄中学校
京仁中学校
高尺中学校
九老中学校
九一中学校
新道林中学校
永林中学校
永西中学校
梧南中学校
梧柳中学校
宇信中学校
天旺中学校

交通

九老区は、鉄道や道路などの交通網が発達しています。鉄道は、韓国鉄道公社の京釜線、京仁線、ソウル交通公社の2号線、7号線が乗り入れており、区内各地へのアクセスが容易です。また、始興大路などの大路級の道路や、安養川路などの路級の道路が整備されており、バスや自家用車での移動も便利です。

姉妹都市

九老区は、中華人民共和国の通州区、平度市、フランスのイシー･ルー･モリノー市と姉妹都市提携を結び、国際交流を積極的に行っています。

九老区は、工業地域としての側面と、歴史や文化、自然が調和した魅力的な区です。ソウルを訪れる際には、ぜひ九老区にも足を運んでみてください。

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