乱取り

乱取り（らんどり）

乱取りは、日本の柔術、柔道における稽古方法の一つで、自由に技を掛け合う形式を指します。柔道以外にも、合気道の一部流派や、剣術、剣道、槍術などでも「地稽古」として類似の稽古が行われています。

経緯と目的

乱取りは、比較的新しい稽古形態であり、歴史的な背景として、真剣勝負から形稽古の確立、そして乱取り稽古へと変化してきました。

元々の目的は、形稽古で学んだ技術の応用性を確認し、硬直した動きを改善することで円滑な体捌きを養うことにありました。嘉納治五郎は、乱取りと形稽古の関係を「作文と文法」に例え、相互補完的な関係であると説明しています。

現代の柔道においては、乱取りは競技とほぼ同一視されています。

補足

乱取りが単なる勝敗の優劣に終始してしまう傾向も見られ、本来の目的から逸脱している場合もあります。また、流儀の重要な要素である形稽古が軽視されることもあります。乱取りを行う際には、「負ける覚悟」を持つことが重要であるとされています。

その他

少林寺拳法: 以前は攻守を決めて行う稽古を「乱捕り（乱取り）稽古」と称していましたが、現在は「運用法」と呼ばれています。
合気道: 合気道で乱捕りを行う流派はごく少数です。合気道協会では、特徴的な乱捕りとして、一方が素手、もう一方が短刀（模擬刀）を持った状態で行う稽古があります。この場合、短刀側は短刀による攻撃に限定され、さらに攻撃方法も制限されます。具体的には、しっかりと踏み込み腕を伸ばした突きのみが有効とされ、小刻みな突きや切り付けは認められません。

関連項目

組手 (空手)
組み手 (柔道)
散打
スパーリング
* 乱妨取り

注: この記事は、乱取りに関する一般的な情報を提供することを目的としており、特定の流派や団体の見解を代表するものではありません。

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