乱歩R

『乱歩R』：江戸川乱歩の世界観を現代に蘇らせた異色推理ドラマ

2004年、よみうりテレビ制作、日本テレビ系で放送されたテレビドラマ『乱歩R』は、江戸川乱歩原作の短編小説を現代風にアレンジした一話完結型の作品です。主演は人気タレントの藤井隆が務め、月曜夜10時の枠を彩りました。このドラマは、よみうりテレビ制作の月曜22時枠の連続ドラマとしては最後の作品となり、その後この枠は改編されました。

大人向けで衝撃的な展開

同時間帯のドラマとしては異例なほど大人向けの表現や描写が多く含まれており、独特の雰囲気を醸し出していました。原作の世界観を忠実に再現しているためか、多くのエピソードで犯人が自害する結末を迎えるなど、衝撃的な展開が特徴です。また、普段は死に役を演じないような役者も、本作では死に役を演じるという、意欲的なキャスティングも見られました。番組表のサブタイトルには、多くの場合、メインゲストの出演者の名前が記載されるなど、ゲストへの配慮が伺える演出もありました。

三代目明智小五郎と個性豊かな仲間たち

物語は、名探偵として名を馳せた初代明智小五郎が既に亡くなった現代を舞台に展開されます。彼の意志を継いだのは、元部下にして娘婿である二代目、そしてその息子である三代目明智小五郎（藤井隆）。若き三代目小五郎は、初代の助手である小林老人（大滝秀治）、初代の元部下であり「明智小五郎探偵事務所」所長である雷道（岸部一徳）らと共に、様々な難事件に挑みます。

帆音ユキ（山上まなみ）は事務所の事務員として、事件解決をサポート。個性豊かな登場人物たちが織りなすチームワークが、ドラマの見どころの一つです。警察関係者として、堀越学（筧利夫）、片桐謙吾（石丸謙二郎）、小島礼子（圓谷友里）らが事件捜査に協力し、明智探偵事務所と警察の連携も見どころです。

豪華ゲスト陣と話題のエピソード

各エピソードには、豪華なゲスト俳優陣が出演しました。例えば、第1話には武田鉄矢と乙葉、第2話には菅野美穂、第3話には仲間由紀恵と成宮寛貴など、話題性のある俳優たちが多数出演し、視聴者の注目を集めました。各話のサブタイトルには、ゲスト出演者の名前が冠されていることが多く、豪華な顔ぶれをアピールしていました。

これらのエピソードは、それぞれ江戸川乱歩の短編小説をベースに、現代社会にアレンジされています。「人間椅子」「吸血鬼」「黒蜥蜴」といった有名な作品が現代風にアレンジされ、新たな解釈で描かれています。また、「怪人二十面相」は前後編の二部構成で、シリーズの中でも特にスケールの大きい物語として展開されました。

番組の終了とその後

『乱歩R』は、よみうりテレビ制作の月曜22時枠の連続ドラマとしては最後の作品となりました。この枠は、1973年から31年間に渡り、連続ドラマ枠とバラエティ枠を行き来しながら続いていましたが、『乱歩R』の放送終了後、枠交換によって月曜21時枠へと移動しました。その後、2008年2月からは、月曜21時枠、22時枠ともに日本テレビの製作枠となっています。なお、山梨放送、福井放送、四国放送、高知放送の4局では、最後まで同時ネットされず、一部の作品を別の時間帯に番販扱いでの放送にとどまっていました。

『乱歩R』は、主演の藤井隆と第1話ゲストの乙葉の結婚という、ドラマにとっても特別な出来事をもたらしました。江戸川乱歩の世界観を現代風にアレンジした演出、豪華キャスト、そして意外な結末など、様々な要素が詰まった、記憶に残るドラマとなりました。DVD-BOXやサウンドトラックなども発売され、人気を博しました。

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