乾皮症

乾皮症（かんぴしょう）について

乾皮症は、皮膚が乾燥してガサガサした状態になり、フケのようなものが付着する皮膚疾患を指します。一般的には「乾燥肌」とも呼ばれ、特に子供や高齢者に多く見られる症状です。この疾患は敏感肌の一種でもあり、乾燥による痒みや湿疹を引き起こすことがあります。

子供における乾皮症

子供はアンドロゲンという男性ホルモンにより皮脂腺が活発になり、皮膚の保湿を助ける皮脂が分泌されますが、アンドロゲンの分泌量が少ないため、特に乾燥しやすくなります。そのため、子供の体全体が一様に乾燥する傾向がありますが、顔や頭部は皮脂腺が比較的多いため、乾燥しにくい部分もあります。しかし、乾燥が進むことで痒みが生じ、湿疹を伴う危険性が増します。場合によっては、体質や遺伝の影響によりアトピー性皮膚炎を併発することもあります。

高齢者における乾皮症

高齢になると、アンドロゲンの分泌が減少し、皮脂腺の機能も低下します。このことが、皮膚の乾燥を引き起こす要因となります。特に、下腿や背中は入浴時に摩擦が強く働くため、皮脂が失われやすく、乾燥がより顕著になります。高齢者の乾皮症の特徴は、一様に乾燥するわけではなく、特に冬季に症状が悪化することが多い点です。乾燥がひどくなると、湿疹や皮脂欠乏性湿疹が生じる可能性があるほか、褥瘡の悪化を引き起こす要因ともなるため、注意が必要です。

主婦湿疹

主婦の方々は、食器洗いや掃除の際に使用する洗剤、特に界面活性剤によって手の皮脂が失われやすいです。このため、手の皮脂が欠乏することで生じる皮膚炎を「主婦湿疹」と呼ぶことがあります。この状態に対する診断や治療は、子供や高齢者の乾皮症と同様の方法が用いられます。

治療法

乾皮症の治療には、主に外用剤が使用されます。特に保湿剤が効果的で、白色ワセリンやプラスチベースといったものがしばしば用いられます。また、強い痒みが伴う時には、オイラックスやステロイド外用薬などの止痒剤が使われることがあります。さらに、クラリチンやアレグラなどの抗アレルギー薬の内服も選択肢とされます。皮膚科医の池野宏氏によれば、アトピー性以外の乾燥肌で炎症が見られる場合には、非ステロイド系抗炎症薬やタクロリムスを用いることが推奨されています。

乾燥が原因とされるこの疾患は、水分を多く摂取するだけでは改善しないことが多いです。また、入浴時に過度の石鹸やナイロンタオルを使用すると、症状が悪化することがあります。部屋の湿度を上げるために加湿器や観葉植物、水槽を利用することで、乾燥肌の改善が見られる場合もあります。

まとめ

乾皮症は、特に子供や高齢者に多く見られる皮膚の乾燥症状であり、適切なケアが必要です。日常の生活習慣や気候に応じて症状が変化するため、早期に専門医を受診することが重要です。

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