亀屋

株式会社龜屋について

株式会社龜屋（かめや）は、埼玉県川越市に本社を構える伝統的な和菓子メーカーであり、その屋号は「龜屋」と表記されます。1783年（天明3年）に初代の山﨑嘉七によって創業され、以来数世代にわたって続く老舗の企業です。

沿革

龜屋の歴史は、信州中野出身の初代が川越に店を開いたことから始まります。代々続く当主は、6代目まで嘉七の名を受け継ぎ、特に3代目の時代には川越藩の御用商人として認められました。1847年（弘化4年）には、嵯峨御所から「河内大掾」の称号と「藤原嘉永」の名も賜りました。

4代目の山崎豊は、江戸の壺屋で修行した後、龜屋に戻り、江戸風の改装や商品の改革を行い、中興の祖としての評価を受けました。幕末には苗字の帯刀が許され、和菓子職人としての地位も確立します。

明治時代には、5代目がサツマイモの新たな商品「初雁焼」を開発し、これが川越の名物として広まりました。それに伴い、洋菓子の製造も始まり、和と洋の融合が進みます。

昭和に入ると、7代目の山﨑嘉彦の下で多店舗展開を果たし、東京の百貨店にも出店しました。8代目の山﨑嘉正の時代には店舗数が最盛期の45店舗に達しましたが、バブル崩壊の影響で経営の見直しを行い、現在は川越を中心に10数店舗を展開しています。

主力商品

龜屋の名物は「初雁焼」で、川越城の別名に由来しています。この他にも、川越の伝統を感じさせる品々が揃っています。代表的な商品には、以下のものがあります：

• - 亀の最中：三ツ亀甲のマークが特徴で、川越土産として人気があります。
• - 初雁糖：芋納豆として親しまれています。
• - こがね芋：ニッキ風味の芋菓子。
• - 川越いもシュー：芋を使用したシュークリーム。
• - 初雁城：川越芋を使った落雁。
• - 初雁霰：芋霰として楽しまれています。
• - 福亀：スイートポテトの一種。

贈答用の詰め合わせとしては、さまざまなセットが揃っており、「小江戸日誌」や川越藩に献上されたことがある「御用箱詰」も人気です。

店舗情報

龜屋には川越市内に数店舗があり、本店は1893年に建てられた特徴的な蔵造りの建物です。隣接して、茶店の「亀屋山崎茶店」や美術館の「山崎美術館」も存在し、文化的な魅力を提供しています。

川越市の他にも、埼玉県内には大宮そごう店や狭山柏原店、入間丸広入間店など、多数の店舗が展開されています。また、2019年には新ブランド「kashichi」が一番街にオープンし、和菓子をより身近に感じられるストアが始まりました。

企業の重要な関連項目

株式会社龜屋は、歴史的にも地域経済に大きな影響を与えており、第八十五国立銀行の設立に尽力した山﨑豊が頭取として活躍しました。また、旧山崎家別邸は現在も文化財として管理されており、地域の歴史を感じさせる場所となっています。

このように、龜屋は単なる和菓子メーカーにとどまらず、地域文化や歴史を体現した存在として親しまれています。

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