亀山敬司

亀山敬司：波乱万丈な人生とDMM.comグループの成功物語

1961年生まれの亀山敬司氏は、DMM.comグループの創業者であり、現在もDGホールディングス会長、合同会社DMM.com会長兼CEO、株式会社DMM.com Base代表取締役会長を務める実業家です。

アダルトビデオからの出発

「アダルトビデオ界の大物」と評されることもある亀山氏ですが、本人はアダルト業界への特別な思い入れはないと語っています。成功の要因は、AV業界への参入が偶然だったという点も強調しています。

控えめなメディア対応

以前はメディア露出が極めて少なかった亀山氏ですが、2014年頃から積極的にインタビューに応じるようになりました。しかし、現在も顔写真は公開していません。

商家の家系と起業家の素養

石川県加賀市出身の亀山氏は、海の家、飲食店、カメラ屋など様々な事業を手掛けていた商家の家に生まれました。高校時代は登山部や柔道部に参加し、授業中はよく寝ていたというエピソードも残っています。税理士を目指して上京し大原簿記専門学校に入学したものの、税務には興味を持てず中退しています。

六本木の露天商からレンタルビデオ店経営へ

19歳で六本木の外国人露天商に師事し、アクセサリーの露天販売を始めました。六本木や原宿だけでなく、青森ねぶた祭など、様々な場所で販売経験を積んだ後、姉の妊娠をきっかけに故郷へ戻り、喫茶店経営を手伝うことになります。

その後、喫茶店や雀荘、プールバー、旅行代理店などを経営し、1980年代後半にレンタルビデオ店を開業。成功を収め、周辺のレンタルビデオ店を吸収合併し、5店舗ほど運営するまでに成長しました。

地元では、北陸地方で圧倒的なシェアを誇っていたビデオシティ(後のゲオ)との競争に直面しましたが、亀山氏はビデオシティ社長に直接交渉し、フランチャイズ契約を締結することで独立性を維持しながら、加賀市におけるレンタルビデオ業界のトップシェアを維持することに成功しました。

映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2』が転機に

映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2』を鑑賞した亀山氏は、レンタルビデオ店の将来に危機感を抱き、店舗に依存しない映像コンテンツ制作への転換を決意します。

そこで、低コストで制作可能なアダルトビデオの版権ビジネスに参入。部下に東京でアダルトビデオの版権買い付けを指示し、それをレンタルビデオ店に卸すビジネスモデルを確立しました。

富山の薬売り方式とDMM.comの誕生

1990年にはファミコン店のフランチャイズを行う目的で北都を設立しましたが、その後、アダルトビデオの販売会社に業態転換しました。

セルビデオブームを受け、「富山の薬売り方式」と呼ばれる委託販売形式を導入。ビデオを顧客に送付し、売れ残りを返品してもらうことで、卸売業を通さない独自の販売ルートを確立しました。さらに、POSシステムをいち早く導入し、事業を急速に拡大していきました。

1998年、インターネット黎明期に、松栄立也氏をIT担当者として採用し、インディーズAVのネット配信事業「DMM」をスタートさせました。

DMMの多角化戦略

アダルトコンテンツ事業で得た利益を基に、DMMは多角化戦略を展開。FX取引、太陽光発電、オンラインゲーム、モバイル事業、ロボット事業など、幅広い分野に進出しました。また、VRシアターやDMMプラネッツなどの施設も展開しています。

亀チョク制度と新規事業の創出

2010年にはクーポン事業やペニーオークション事業に参入しましたが、翌年に撤退。時代の変化に対応するため、「亀チョク」という制度を導入し、起業家との協業による新規事業開発を推進しました。この制度からDMM英会話、DMM.make、艦隊これくしょん-艦これ-などの事業が生まれました。

DMMのホールディングス化と組織再編

2016年にはホールディングス体制に移行し、DMM.comの社長に片桐孝憲氏を招聘しました。その後、組織再編や新規事業の撤退・縮小なども行い、事業の効率化を進めています。

講演やメディア出演

亀山氏は、数々の講演やメディア出演を通して、自身の経験や経営哲学を積極的に発信しています。

継続的な挑戦

亀山敬司氏の人生とDMM.comグループの成功は、常に変化する環境に適応し、挑戦を続けることの重要性を示しています。彼の今後の動向にも注目が集まります。

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