二丁町遊廓

二丁町遊廓

二丁町遊廓は、江戸時代に駿府（現在の静岡市葵区駒形通五丁目付近）に存在した幕府公認の遊廓です。現在は静岡県地震防災センターが建っている場所に、かつては1万坪もの広大な敷地を有していました。

歴史

1585年、徳川家康が駿府に城を築いた際、全国から多くの武士、職人、商人などが集まりました。彼らを慰労するために遊女や女歌舞伎も集まりましたが、その結果、争いが絶えませんでした。そこで、隠居していた家康の鷹匠である伊部勘右衛門が遊廓の設置を願い出ました。家康はこれを認め、勘右衛門は私費で土地を購入し、故郷の京都から業者や人を集めて「伏見屋」という店を開いたことが、二丁町遊廓の始まりとされています。これが、幕府公認の遊廓の始まりです。

その後、二丁町遊廓の一部は江戸の吉原遊廓に移されました。そのため、残った町が「二丁町」と呼ばれるようになり、静岡を代表する歓楽街として知られるようになりました。駿府城下には96の町があり、そのうち7つが遊廓でした。そのうち5つが江戸に移され、残りの2つが二丁町となったという説があります。二丁町は、東海道中膝栗毛にも登場しています。

明治時代には、静岡県知事の小松原英太郎によって二丁町遊廓の由来が記されています。

二丁町遊廓は、第二次世界大戦の静岡大空襲で焼失し、現在はその名残はほとんどありません。しかし、わずかに残る稲荷神社が、かつてそこに存在した二丁町遊廓の歴史を静かに物語っています。

二丁町遊廓の特徴

広大な面積: 1万坪もの広大な敷地を有し、多くの遊女や遊客で賑わっていました。
幕府公認の遊廓: 徳川家康によって公認された遊廓であり、その歴史は古く、格式の高いものでした。
吉原遊廓との関係: 一部は江戸の吉原遊廓に移され、両遊廓の間には深い関係がありました。
文学作品への登場: 『東海道中膝栗毛』などの文学作品に登場し、その賑わいを伝えています。

現在の二丁町

現在、二丁町遊廓の跡地には静岡県地震防災センターが建っており、かつての面影はほとんど残っていません。しかし、ひっそりと佇む稲荷神社が、かつてそこに遊廓があったことを伝えています。

関連情報

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