二万村

二万村（にまむら）

二万村は、かつて岡山県吉備郡に存在した村で、現在の倉敷市の一部にあたります。

地理

村は小田川の支流である二万谷川の流域に位置していました。

歴史

二万村の地名は、古くは「邇磨（にま）」または「爾麿（にま）」と呼ばれており、それが後に「二万」に変化したと伝えられています。平安時代前期の914年（延喜14年）、三善清行が醍醐天皇に提出した『意見十二箇条』の中で、備中国下道郡邇磨郷における課丁の減少を例に挙げ、律令制の衰微を訴えました。この邇磨郷が、後の二万村域に相当すると考えられています。

1884年（明治17年）：連合戸長役場制度導入。下道郡上二万村と下二万村を管轄下に置く下道郡第二部戸長役場が上二万村に設置されました。
1889年（明治22年）6月1日：町村制施行により、上二万村と下二万村が合併し、二万村が発足。旧村名を継承し、上二万、下二万の2つの大字が編成されました。
1893年（明治26年）10月：大洪水が発生し、堤防が決壊する甚大な被害を受けました。
1900年（明治33年）4月1日：郡の統合により、吉備郡に所属することになりました。
1952年（昭和27年）4月1日：吉備郡箭田町、大備村、薗村、呉妹村と合併し、真備町が新設され、二万村は廃止されました。合併後、真備町大字上二万・下二万となりました。

地名の由来

地名の由来については、以下の複数の説があります。

古くは「邇磨」と記し、鉱山にちなむという説。
邇（に）は丹（に）に通じ、水銀などの鉱産物と関連する意味を持つため、水銀などの鉱産物を産出し加工する村という意味であるという説。
白村江の戦いの頃、兵士を募集した際に二万人の成年男子（壮丁）が集まったという説。
中世の荘園にちなむという説。
壬申の乱の際、二万大塚古墳から二万人の兵士が出現し大友皇子の軍を破ったという説。

産業

農業

名所・旧跡

二万大塚古墳

参考文献

角川日本地名大辞典 33 岡山県
『市町村名変遷辞典』東京堂出版、1990年。

関連項目

* 岡山県の廃止市町村一覧

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