二値画像

二値画像：白黒のデジタル世界

二値画像とは、各ピクセルが白か黒の2色のみで表現されるデジタル画像です。他の表現としてはバイナリイメージ（binary image）とも呼ばれます。シンプルながらも、様々な場面で活用されています。

二値画像の特性

二値画像において、ピクセルは1ビットの情報で表現されます。つまり、白を1、黒を0（あるいはその逆）として、0と1の配列で画像全体を構成します。このため、他の画像形式と比較してファイルサイズが小さく、データの保存や伝送に有利です。白と黒以外の2色を使うことも可能ですが、本質的には白黒画像と変わりません。文書スキャニングの分野では、「バイトーナル」という表現も用いられます。

Photoshopなどの画像編集ソフトでは、二値画像はビットマップモードの画像として扱われます。ただし、「白黒」や「モノクローム」という表現は、グレースケール画像など、単一の周波数の光のみをサンプリングした画像にも用いられるため、二値画像と完全に一致する表現ではありません。

二値画像の用途

二値画像は、様々なデジタル画像処理技術において重要な役割を果たします。例えば、

マスク: 画像処理における特定領域の選択や抽出に利用されます。
セグメンテーションの結果: 画像を複数の領域に分割するセグメンテーション処理の出力として得られます。
二値化の結果: グレースケール画像を二値画像に変換する二値化処理の出力です。
ディザリングの結果: 色数の少ないデバイスで、より多くの色を表現するために用いられるディザリング処理の結果として生成されることもあります。

さらに、レーザープリンターやファクシミリ、一部のモノクロディスプレイなど、限られた色しか扱えないデバイスでは、二値画像が直接利用されます。ファイルサイズが小さいため、ファックスや文書管理システムにおいても広く採用されています。

データ容量と圧縮

二値画像は、ビットマップとしてメモリに格納されます。例えば、640×480ピクセルの二値画像は、(640 × 480)ビット、つまり307200ビット、すなわち37.5キロビットの容量が必要です。この小さなデータサイズは、効率的なデータ圧縮を可能にします。単純な連長圧縮でも高い圧縮率が期待できます。

数学的解釈

数学的には、二値画像は2次元整数格子Z2の部分集合として解釈できます。この解釈は、形態学的画像処理などの分野で重要な役割を果たしています。形態学的画像処理は、画像を集合として扱い、集合演算を用いて画像処理を行う手法です。二値画像のシンプルさが、このような数学的なアプローチを可能にしています。

関連技術

二値画像に関する技術としては、PNM、JBIG/JBIG2、XBMといった画像フォーマットや、効率的な圧縮技術が挙げられます。これらの技術は、二値画像の利便性をさらに高めています。

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