二宮就辰

二宮 就辰の生涯と業績

二宮就辰（にのみや なりとき）は、戦国時代から江戸時代初期にかけて活動した日本の武将であり、毛利氏の忠実な家臣として知られています。彼は毛利輝元の側近として重要な役割を果たし、その業績は歴史に名を刻んでいます。

出生と家系

就辰の生まれは不明瞭であり、父として伝わるのは二宮春久と毛利元就の二人です。母は備後国の矢田元通の娘とされています。異なる記録により、彼の生年は天文15年（1546年）または天文18年（1549年）とされており、後者には元就の正室が亡くなった数ヶ月後に誕生したとの伝承もあります。

彼は、元就の子であるとする可能性がありますが、若い頃は二宮春久の子として育てられました。元就は彼に具足や産着を与え、虎法丸と名付けたということが伝えられていますが、毛利家の正式な家系図には二宮の名が残されていました。このような背景から、後に輝元にその出自を知られることになります。

前半生と戦闘

就辰が元服したのは永禄5年（1562年）で、「就」の字が与えられて就辰と名乗るようになりました。彼の武将としてのキャリアは、1563年の白鹿城での戦闘での功績から始まります。さらに、元就からの信任を受け、多くの戦闘で実績を残しました。特に、赤間関での溝口玄蕃討伐は彼の名声を高める出来事です。

この戦闘では、彼の指導力と戦術が高く評価され、元就からその功績を称えられました。そして、彼には土地も与えられ、毛利輝元からも官位を授かることとなります。

広島城築城

就辰の業績の一つとして、広島城の築城が挙げられます。1589年に毛利氏が本拠地を吉田郡山城から広島へ移す決定をし、彼は普請奉行として城の測量や建設に関わりました。在りし日の財政的困難の中でも、強い意志で工事を進め、無事に城を完成させました。この成功によって、就辰はさらに信任を受けることとなりました。

中央行政における役割

文禄の役が終わった後、輝元は中央行政の一員として就辰を重要な地位に任命しました。彼は後に豊臣秀吉からも豊臣朝臣の名を与えられ、官位を上げていきました。これにより、彼の名声は更に高まり、周囲にその才能が認められることになります。

晩年と死去

関ヶ原の戦い後、毛利氏が防長に移封された際、就辰もその地に移り住むことになりました。彼は輝元からの信頼を保ち続け、1607年に死去しました。享年は62歳とされ、彼の死後は嫡男の門田元経が家督を継いでいきました。

人物像

就辰は非常に勤勉で、寡黙な性格であったと伝えられています。また、彼は武力だけでなく、財務や土木、建築においても優れた才能を持つ人物として知られていました。彼の生涯を通じて残した業績や功績は、彼の名を不朽のものとしているのです。

今日、結婚した子孫は古い地を継承し、観光地として訪れる人々に地元の歴史や文化を伝えています。

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