二式砲戦車

二式砲戦車 ホイ（にしきほうせんしゃ ホイ）

二式砲戦車ホイは、第二次世界大戦中に大日本帝国陸軍によって開発された砲戦車です。この車両は主に中戦車に火力を提供することを目的として設計されました。砲戦車とは、旋回可能な砲塔に大口径の砲を搭載した中戦車の一形態であることから、ホイもその分類に含まれます。ただし、二式砲戦車の誕生背景には、自走砲を改造して砲戦車として使用する考えがあったため、時にその本質が誤解されることもありました。

開発の背景

ホイの開発は1937年（昭和12年）に開始され、その当初は自走式戦車支援砲としての役割が考えられていました。この時期、主砲としては当時既に配備されていた四一式山砲が使用される予定でした。主に対戦車砲陣地を破壊するために援護射撃を目的として設計されたため、対戦車戦闘はあまり重視されていませんでした。しかし、1939年（昭和14年）には計画が一時中断され、砲塔が旋回式に改良されることが決定しました。これによって「砲戦車」という名称が適用されるようになったのです。

1940年12月には新たに設計された九九式七糎半戦車砲が完成し、これに合わせた弾薬の研究も進められました。その結果、四一式山砲用の弾薬筒を流用しつつ、装薬を増量することで初速を向上させることができましたが、需要が少なかったため新しい弾薬の製造は行われず、最終的には四一式山砲の弾薬が利用されることとなります。

試作と性能

1941年（昭和16年）にホイ車は実際に日立製作所で試製として完成し、射撃試験が行われましたが、移動する目標に対する射撃が難しい点や、貫通力不足が問題視されました。この段階では、砲戦車により効果的な野砲を搭載する必要性が指摘され、二式砲戦車の適性が問われました。1942年末には、一式中戦車チヘの車体を基にした車両が開発され、これが二式砲戦車の基盤となりました。

開発の進展と量産

1943年には開発方針が見直され、対戦車戦闘が重視されることになりました。その結果、二式砲戦車は初めて不要とされましたが、成形炸薬弾の実用化により、その戦闘能力が再評価されました。1944年には三菱重工で30輌のみが生産され、この車両は主に本土防衛に温存され、実際の戦闘には使用されませんでした。

装甲貫徹能力と評価

九七式中戦車チハの車体に搭載された九九式七糎半戦車砲には、徹甲弾が用意され、敵戦車に対抗する力を持っていました。また、終戦時には成形炸薬弾も50000発以上が存在し、その中には連合軍に鹵獲されたものも含まれていました。射撃試験ではマチルダII戦車に対しても効果が確認されたため、防御力や火力において一定の評価を受けました。

総括

二式砲戦車ホイは、大日本帝国陸軍の中で重要な役割を担う可能性がありましたが、最後まで実戦に投入されることはなく、その多くの試みは計画段階での見直しや変更にかかわらず、実現には至りませんでした。第二次世界大戦における戦車技術の進化とその衝撃的な成果は、今もなお多くの戦車ファンに思いを馳せさせるものとなっています。

もう一度検索