二所ノ関部屋 (1909-2013)

二所ノ関部屋の歴史

二所ノ関部屋は、日本相撲協会に所属する著名な相撲部屋の一つであり、その歴史は多くの名力士と共にあります。部屋の創設は、5代の二所ノ関が1907年に行ったものであり、彼は当時の力士界で名を馳せた関脇・二代海山の弟子でした。二代海山は、特に怪力力士として知られ、数々の成果を残しました。

5代（海山）時代

友綱部屋に所属していた二代海山は、1909年に現役を引退した後、部屋を創設しました。彼は相撲協会の理事や検査役を歴任し、その功績は高く評価されました。彼の下で育った玉錦は、1931年に死去するまでの間に大きな成果を上げ、弟子たちを全国的な力士に育てあげることに成功しました。

6代（玉錦）時代

1935年には、玉錦が6代二所ノ関を襲名し、部屋を再興しました。しかし、当初は稽古場すら持たない状態で、力士の確保と育成に苦しみました。玉錦は大きな稽古場を買収し、厳しい稽古によって独自の力士を育て上げ、短期間で部屋を勢力化しました。しっかりとした運営のもと、玉ノ海や佐賀ノ花といった関取が次々と成長しました。

7代（玉ノ海）時代

1939年、若干26歳で7代二所ノ関を襲名した玉ノ海は、先代の成果を生かしつつ、多くの弟子を育てることに成功しました。しかし、1945年の東京大空襲によって部屋は甚大な被害を受け、その後も苦難の道を歩みました。戦中は労働奉仕活動が部屋の維持を助けましたが、これが原因で逮捕される事態も経験しました。最終的に、彼は弟弟子に部屋を譲った後、38歳で廃業しました。

8代（佐賀ノ花）時代

佐賀ノ花が8代となった1951年、彼は引退後も数多くの力士を育成しました。彼の指導のもと、分家独立が進む一方で、部屋内の相続問題も顕著化しました。1975年には急性白血病で66歳の若さで亡くなり、後継者争いが続きました。この混乱の中、金剛が最終的に部屋を引き継ぐことになりました。

10代（金剛）時代

金剛に受け継がれた部屋は、次第に力士の成績が落ち込みました。2012年には金剛が病に倒れ、2013年には部屋が閉鎖されることとなりました。この間、多くの力士たちが引退し、部屋の空白が広がる結果となりました。

その後

部屋の閉鎖後、二所ノ関の名を再興する試みが行われます。12代と13代の二所ノ関が名跡を継承し、それぞれが新たな部屋を運営しました。現在、二所ノ関部屋の名は時代と共に変化しながらも、相撲界での影響を保ち続けています。

分家独立騒動

この部屋の歴史には分家独立に関する争いも多く見られます。特に、片男波部屋からの分家独立騒動や、押尾川部屋の独立騒動は、二所ノ関部屋内での力士間の移籍やリーダーシップ争いを混乱させる要因となりました。

以上が二所ノ関部屋の歴史とそれに伴う数々の出来事です。日本の相撲界におけるこの部屋の影響は今も色濃く残っています。

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