二条天皇

二条天皇について

二条天皇（にじょうてんのう、1143年7月31日 - 1165年9月5日）は、日本の第78代天皇であり、在位期間は1158年9月5日から1165年8月3日まででした。彼の本名は守仁（もりひと）で、後白河天皇の第一皇子として誕生しました。母は大炊御門経実の娘であり、源有仁の養女である懿子です。

初期の人生と皇位継承

二条天皇は、雅仁親王（後の後白河天皇）の長男として生まれましたが、出産後に母が急死し、祖父である鳥羽法皇に引き取られました。彼は鳥羽法皇の妃、美福門院によって育てられました。当時、近衛天皇が即位していたため、彼の皇位継承の可能性は低く、9歳で覚性法親王がいる仁和寺に入ることになりました。

彼は仏教経典に親しみ、「ちゑふかくおはしましけり」という高い評価を得たと言われています。近衛天皇が重病に陥る中、関白の藤原忠通は雅仁親王を支持して皇位の譲位を求めましたが、鳥羽法皇はその計画を拒否しました。このことから、孫王（のちの二条天皇）は皇位継承候補の一人として浮上しました。

皇位への即位と政局の変遷

久寿2年（1155年）7月23日、近衛天皇が亡くなり、後継天皇を決める王者議定が行われました。候補には重仁親王、孫王（のちの二条天皇）、暲子内親王が挙がりましたが、29歳の雅仁親王が即位し、後白河天皇となりました。まだ幼い孫王が即位することには反対意見が多かったため、最終的に雅仁親王が立候補をせずに即位する形となりました。

その後、孫王は9月23日に親王宣下を受け、「守仁」と名付けられました。翌年、彼は美福門院の娘、姝子内親王を妃として迎えました。保元3年（1158年）には、後白河天皇から譲位され、二条天皇として即位しました。この譲位は美福門院の強い働きかけによるもので、信西の協力もありました。

二条天皇の治世においては、親政派の藤原伊通や大炊御門経宗、葉室惟方らが支持を集め、次第に後白河院政派との対立が露わになりました。二条天皇は美福門院の影響を受けて育ったため、実父との関係は冷淡でした。

平治元年（1159年）、平治の乱が発生し、藤原信頼がその中心となりましたが、親政派と清盛の巧妙な動きにより事態は展開し、二条天皇が清盛の六波羅邸に行幸することで状況が逆転しました。この結果、親政派は勝利を収めます。

政治の安定とその後

乱が終結した後、二条天皇は政局の安定を図るため、美福門院の八条邸に行幸し、次に太皇太后である藤原多子を内室として迎え入れるなどしました。しかし、年内に後見役や支持者たちが次々と不幸に見舞われ、二条天皇の立場は危うくなります。二条天皇は藤原伊通と平清盛に頼りながら自らの権力基盤を固めていきました。

その後、二条天皇は実権を握り、官邸を押小路東洞院に定め、信西の政策を踏襲しつつも、様々な政策を推進しました。しかし、寺院の建立や政権運営に関する後白河上皇との対立が続きました。

1165年2月、藤原伊通が死去し、二条天皇も病に倒れることになります。彼はその年の6月に元服した実子を皇太子に指名した後に譲位し、太上天皇と呼ばれるようになりましたが、続いて7月に崩御しました。享年は23歳でした。

彼の人物像

二条天皇は、賢明な治世者として評価され、彼の父である後白河天皇との対比が際立ちました。彼の治世は多くの困難に直面しつつも、政治的な安定を目指したものでありましたが、様々な要因によって早逝し、その計画は実現を見ることがありませんでした。

後世への影響

二条天皇の即位とその後の政治は、後の南北朝時代や皇室の権力構造に大きな影響を与えることとなりました。また、彼の政治的試みや皇位継承に関する困難な状況は、彼の後継者たちにも影を落としました。

陵墓

二条天皇の陵は京都府京都市北区にある香隆寺陵に治定されています。この場所は、彼が崩御した際に火葬された地であり、後に彼の遺骨が納められました。現在、皇霊殿には他の歴代天皇とともに彼の霊も祀られています。

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