二条為定

二条為定（にじょう ためさだ）は、鎌倉時代後期から南北朝時代にかけての公卿・歌人です。二条為道（ためみち）の子として生まれました。

生涯

父為道は早くに亡くなったため、為定は叔父である為藤（ためふじ）の感化を受けました。元亨3年（1323年）には参議となり、公卿としての道を歩み始めます。正中2年（1325年）には、『続後拾遺和歌集』を後継者として撰集しました。

当初、姉妹の権大納言三位局（ごんのだいなごんのさんみのつぼね、懐良親王（かねよししんのう）らの母）が後醍醐天皇に仕えていた関係から、天皇に近侍していましたが、元弘の変以降は天皇に従わず、北朝側につきました。延文4年/正平14年（1359年）には、二条良基（にじょう よしもと）や足利尊氏（あしかが たかうじ）の推挙により『新千載和歌集』を撰進。南北朝動乱の時代にあって、歌道師範の家を守り抜きました。

文和4年/正平10年（1355年）8月17日には出家し、釈空（しゃっくう）と号しました。

歌人としての業績

為定の和歌は、『玉葉和歌集』以下の勅撰和歌集や『続現葉和歌集』以下の私撰和歌集に多数入集しており、『文保御百首』などの定数歌も残っています。彼の詠歌を集めた歌集としては、『為定集』が存在しますが、これは2系統あります。一つは私撰集、もう一つは為定の家集ですが、いずれも為定自身による撰ではなく、後世の人が編纂したものです。

系譜

父：二条為道（1271-1299）
母：飛鳥井雅有の娘
正室：土御門禅尼
男子：二条為遠（1341-1381）
生母不明の子女
男子：二条為貫
男子：二条定世
男子：二条為有
男子：覚家 - 興福寺別当
男子：昭海
* 男子：良寿

二条為定は、激動の時代において、歌人、公卿として活躍し、その才能と家を守り抜く強い意志を示しました。彼の残した和歌は、今もなお人々の心を捉え、その名は歴史に刻まれています。

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