二条為遠

二条為遠（にじょう ためとお）は、南北朝時代から室町時代にかけての公卿・歌人です。二条為定の子として生まれました。

生涯

貞治3年（1364年）に参議に任じられ、公卿としての道を歩み始めます。その後、応安2年（1369年）には権中納言、応安6年（1373年）には従二位へと昇進しました。永和4年（1378年）には権大納言にまで上り詰め、後光厳天皇からの厚い信頼を受け、順調に出世を重ねました。

しかし、関白であった二条良基とはそりが合わず、疎まれる存在となります。さらに、庶流の二条為重が後円融天皇や足利義満といった実力者たちに重用されるようになると、次第に歌壇における為遠の立場は不安定になっていきました。

永和元年（1375年）には、足利義満の推薦により『新後拾遺和歌集』の撰者に任ぜられます。しかし、為遠は酒に溺れる日々を送り、撰集作業は遅々として進みませんでした。その怠惰ぶりは義満の知るところとなり、度々叱責を受けたと言われています。結局、『新後拾遺和歌集』を完成させることなく、病に倒れ亡くなりました。

系譜

父：二条為定（1293?-1360）
母：土御門禅尼
妻：不詳
男子：二条為衡

二条為遠は、歌人としての才能を持ちながらも、酒に溺れ、その才能を十分に発揮することができませんでした。しかし、彼の名は、南北朝時代の歌壇における重要な人物の一人として、歴史に刻まれています。

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