二量体

二量体について

二量体、またはダイマーとは、2つの同じ分子やサブユニットが互いに結合した構造を指します。この現象は、化学分野では「二量化」と呼ばれ、生化学の領域では「二量体化」と表現されます。他の異なる数のサブユニットが結合した構造体もあり、3つのサブユニットで構成されるものは三量体、4つの場合は四量体と呼ばれます。さらに、少数の分子が結合した場合はオリゴマー、多数の場合は高分子と総称されます。

化学における二量体

化学における二量体は、主に2つのタイプに分類されます。一つは、共有結合によって結びついた「化学的二量体」で、もう一つは水素結合のような、共有結合よりも弱い力で結びついた「物理的二量体」です。

化学的二量体の例

化学的二量体の一例としては、シクロペンタジエン（C5H6）が結合して形成されるジシクロペンタジエン（C10H12）があります。さらに、気相中の赤褐色の二酸化窒素（NO2）が、無色の四酸化二窒素（N2O4）として二量体を形成することも挙げられます。

物理的二量体の例

物理的二量体は、水素結合などの相互作用によって構成されます。例えば、酢酸のようなカルボン酸や水などが水素結合を介して二量体を形成します。また、ベンゼンのように分散力によって結合する例も見られます。

生化学における二量体

生化学や分子生物学の分野では、タンパク質や核酸などの高分子が二量体を形成します。この場合、同一のサブユニットで構成されるものは「ホモ二量体」、異なるサブユニットで構成されるものは「ヘテロ二量体」と呼ばれます。生化学における二量体は、主に共有結合によって形成されるものが多く、特にジスルフィド結合を介したものが一般的です。その他の二量体は、弱い力の相互作用を用いて形成されます。

生化学における二量体の例

生化学における二量体の具体例としては、異なる2つのアミノ酸鎖からなる逆転写酵素が挙げられます。また、以下のような重要な生体分子も二量体として知られています。

- 核酸（例：DNA）
- タンパク質（例：抗体、プロテインキナーゼ、受容体チロシンキナーゼなど）
- 転写因子（例：ロイシンジッパー、核受容体）
- Gタンパク質共役受容体とそのβγ二量体
- キネシン
- トリオースリン酸イソメラーゼ（TIM）
- アルコールデヒドロゲナーゼ
- Toll様受容体
- フィブリン

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