五井輝(ごい てる、
1945年5月8日 -
2008年5月10日)は、日本の舞踏家であり、舞人蠱房(ぶじんこぼう)を主宰しました。本名は五井輝雄(ごい てるお)です。
北海道に生まれ、その生涯を舞踏に捧げました。
1966年から1976年まで、藤井公・藤井利子夫妻が率いる東京創作舞踊団に所属し、舞踊家としての基礎を築きました。1966年には、舞踏の創始者の一人である
土方巽の舞台「トマト」に参加し、その影響を強く受けました。
土方巽や大野一雄らに続く第二世代の舞踏家として、独自の表現を追求し、数多くの作品を発表しました。
五井輝の代表作には、「鶏冠」「かくなす」などの作品があり、シリーズ作品としては「都我風祭節」「納屋」「馬糞風」「下座」「坐蠱」「地下」「稽首」などが挙げられます。これらの作品は、彼の内面から湧き出るエネルギーと、身体を通じて表現される独特の世界観で観客を魅了しました。1985年には、舞踏フェスティバルで「小懺悔」を発表し、高い評価を受けました。また、音楽家である臼稲生(NAOTOSHI USUI改)とのコラボレーションも積極的に行い、
1990年のシリーズ「地下」では、その音楽が作品に深みを与えました。
1992年には、中野テルプシコールで「稽首 II」を発表し、8人の男性ダンサーによるソロ舞踏を披露しました。
1993年には、竹屋啓子コンテンポラリー
ダンスカンパニーの公演「DANCE 東風」に参加し、その
芸術性を発揮しました。
1998年には、「捨石」「熊笹の墓標」を発表。
2004年には、ソロ作品「音江山」を上演し、その存在感を示しました。
2007年、最後の独舞公演となった「神居」は、彼の舞踏に対する情熱と、深い精神性を表す遺作となりました。
五井輝は、その功績が認められ、1983年度と
2004年度に舞踊批評家協会賞を受賞しました。この受賞は、彼の舞踏家としての卓越した才能と、舞踏界への貢献を証明するものです。
2008年5月10日、
肝硬変のため、
東京都あきる野市の病院で63歳で亡くなりましたが、彼の作品と精神は、多くの人々に影響を与え続けています。
五井輝の舞踏は、単なる身体表現を超え、人間の内面にある感情や葛藤、そして生と死といった根源的なテーマを追求しました。彼の作品は、舞踏というジャンルを超え、
芸術全体に大きな影響を与えたと言えるでしょう。彼の舞踏は、観客に深い感動と問いを与え、記憶に残るものとして、今もなお、多くの人々に語り継がれています。
関連人物として、竹屋啓子、
田中泯、田村哲郎、
土方巽、藤井公、藤井利子らが挙げられます。また、五井輝の舞踏は、暗黒舞踏、
ダンス、舞台
芸術、モダン・
ダンス、ポストモダン・
ダンス、
コンテンポラリー・[[ダンス]]といった幅広い分野と関連しています。